気づくと、6時間経っていました。
食事もしていないし、水も飲んでいない。それなのに、疲れている感覚がありません。
むしろ、楽しい。 手が止まらない。このまま続けたい。
そして翌日、まったく動けなくなります。
私は発達障害の当事者で、在宅で作業をしています。調子のいい日にやりすぎて、その反動で数日止まる。 これを、何度も繰り返してきました。
「無理をしない」と決めていても、その瞬間は無理をしている感覚がありません。 そこが、いちばん難しいところです。
この記事は、意志ではなく仕組みで止めるためにやっていることの記録です。

この記事に書くこと
- なぜ止められないのか
- 意志で止めようとして、失敗した話
- 仕組みで止める方法
- それでも止まらない日の扱い
1. その瞬間は、無理をしている感覚がない
1-1. しんどくないんです
やりすぎているとき、しんどくありません。
むしろ、調子がいい。思っていた以上に進むので、嬉しい。
「疲れたら休もう」は、機能しません。 疲れた感覚が、その時点では出てこないからです。
1-2. 気づくのは、翌日以降
反動が来るのは、数時間後か、翌日です。
朝起きて、体が動かない。 頭も働かない。
そこで初めて、昨日やりすぎたと分かります。 そして、そのときにはもう遅い。
1-3. だから、事後にしか反省できない
倒れてから「やりすぎた」と思う。
そして次にいい日が来ると、また同じことをします。
反省が、次に活きません。 その瞬間の感覚が、反省の内容と一致しないからです。
2. 意志で止めようとして、失敗しました
試したことを、順に書きます。
2-1. 「今日はここまでにする」と決める
朝、その日の終了時刻を決めておきました。
守れませんでした。その時刻になっても、しんどくないからです。
「あと少しで区切りがいいから」と思って続ける。その「あと少し」が、何時間にもなります。
2-2. 疲れを感じたら休む
これも機能しませんでした。
前述のとおり、疲れを感じません。 基準にならない基準です。
2-3. 家族に止めてもらう
声をかけてもらう方法も試しました。
止まりませんでした。 声をかけられても、「あと少しだから」と答えて続けます。
そして、声をかけた側も気まずくなります。 続きませんでした。
2-4. 共通しているのは
どれも、自分の判断に頼っています。
そして、その瞬間の自分は、正しく判断できません。 楽しくて、進んでいて、疲れていないと感じている。
判断に頼る方法は、全部だめでした。
3. 仕組みで止める

発想を変えました。
止めるのではなく、続けられない状態を先に作っておく。
3-1. 外に出る予定を、後ろに置く
いちばん効いています。
作業のあとに、外出の予定を入れておきます。 時間が来たら、行かなければなりません。
判断が要りません。 「行くか行かないか」ではなく、「行く時間になった」というだけです。
決まった時間に外に出る予定が週に何回かあるのは、この意味でも役に立っています。
3-2. 作業を、終わる単位で区切る
「あと少しで区切りがいい」が、止まれない理由でした。
なので、区切りを小さくします。 30分で終わる単位に分けておく。
終わったところが、常に区切りになります。「あと少し」が発生しません。
3-3. 続きを、あえて残す
逆説的ですが、これが効きます。
きりのいいところで終わらせない。 あえて、途中で止める。
次に開いたとき、すぐ再開できます。 そして、「終わらせたい」という気持ちが、翌日に持ち越されます。
その日のうちに全部終わらせようとするから、止まれないんです。
3-4. 開始時刻を、遅くする
これも、意外と効きます。
早く始めると、その分だけ長くやります。
始める時間を決めておくと、自然と終わりも早くなります。
3-5. 記録を、後から見る
その日にやったことを、終わってから書きます。
時間ではなく、量が見えます。 「今日はこれだけやった」と分かると、続けたい気持ちが少し落ち着きます。
予定として書くのではなく、記録として書くのが要点です。
4. うまくいかなかった方法
4-1. タイマーを使う
時間で区切る方法を試しました。
鳴っても止まりませんでした。 「あと少しだから」と言って、止めます。
音では、判断を止められません。
4-2. 休憩を挟む
一定時間ごとに休憩を入れる方法も試しました。
休憩中も、頭が作業から離れませんでした。 早く戻りたくなる。休憩になっていませんでした。
4-3. 総量を決める
「1日◯時間まで」という決め方も試しました。
いい日と悪い日で、できる量が違いすぎます。 いい日に制限すると、もったいなく感じる。悪い日には、その時間に届かない。
平均で決めるのが、そもそも合っていませんでした。
5. それでも、止まらない日はあります
仕組みを作っても、抜けることがあります。
外出の予定がない日。どうしても終わらせたい作業があるとき。
そういう日は、やりすぎます。 そして、翌日は動けません。
5-1. 倒れた日を、失敗として数えない
これは、いまも練習中です。
倒れると、「また同じことをした」と思います。 そして落ち込む。
ただ、落ち込むこと自体が、回復を遅らせます。
倒れる日はある、として扱う。 そのうえで、戻り方を決めておく。そちらのほうが、実際には早く戻れます。
5-2. 生活に支障が続くなら
工夫でどうにかなる範囲を、超えていることもあります。
そういうときは、専門の方に相談する選択肢もあります。 自分の工夫だけでどうにかしようとして、こじらせたことが、私にもありました。
まとめ
- やりすぎている最中は、しんどくない。 だから止まれない
- 疲れに気づくのは、翌日以降
- 判断に頼る方法は、全部だめだった。 その瞬間の自分は正しく判断できない
- 発想を変えて、続けられない状態を先に作る
- 外に出る予定を、作業の後ろに置く。 判断が要らなくなる
- 作業を終わる単位で区切る。 「あと少し」を発生させない
- 続きをあえて残す。 きりのいいところで終わらせない
- 開始時刻を遅くすると、終わりも自然に早くなる
- 合わなかった方法:タイマー/定期的な休憩/1日の総量を決める
- 倒れた日を、失敗として数えない。 落ち込むと回復が遅れる
やりすぎる癖は、いまも直っていません。
ただ、倒れる回数は減りました。 意志ではなく、予定と区切り方で減らしています。
自分を信用しないことにした、と言ってもいいかもしれません。


