AIの下書きに残る「指示文」と「メモ」|公開した記事に、自分宛ての言葉が残っていた

文章の行の中に、1行だけ付箋のようなメモが紛れ込んでいるイメージ図 ITライフハック
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このシリーズでは、AIが書いた日本語の、読んでも気づかない不具合を3回に分けて書きました。別の言語の文字、記号、表記のゆれです。
今回は番外編です。前の3回とは、少し性質が違います。

今回のものは、読めば分かります。
それなのに、公開した記事に残っていました。

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残っていたもの

自分が関わっている記事を、書き直すために読み返していたときのことです。
ある記事の途中に、こう書いてありました。

(ここにあなたの実測を追記すると強い)
例:PDF50件(平均3MB)を一括生成したら◯分、サーバー負荷は体感◯◯だった…など。

AIが下書きを作るときに、書き手に向けて入れた指示です。「ここに自分で測った数字を入れてください」という意味で、読者に向けた文ではありません。
しかも、元の記事では太字になっていました。目立つように書かれていたのに、そのまま公開されていたことになります。

別の記事では、いちばん下に、スラッグ(URLの末尾に使う英字)だけが1行、ぽつんと残っていました。
下書きの段階でメモしておいたものが、本文と一緒に貼り付けられたのだと思います。

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なぜ、見落とすのか

同じ下書きの中に、読者に向けた文と、書き手に向けた文が並んでいることを示した図

前の3回は、「形が正しく見えるから気づかない」という話でした。今回は違います。
理由は、その言葉が、自分に向けて書かれているからだと思っています。

AIが返してくる下書きには、読者に向けた文と、書き手に向けた文が、同じ調子で並んでいます。
書き手はそれを読むとき、指示の部分を「自分へのメモ」として読みます。メモとして読んだものは、頭の中で本文から外れます。
そのまま全部をコピーして貼ると、自分では外したつもりの行が、本文に入ったままになります。

読み返すときも同じです。自分宛てのメモは、何度読んでも「メモ」に見えます。
読者の目で読まないかぎり、本文の一部には見えてきません。

残りやすいもの

自分の記事で見つけたものと、残りやすい形のものを並べます。

1. 書き手への指示

(ここにあなたの体験を入れてください)
(具体的な数字を追記すると説得力が増します)
※実際の画面に差し替えてください

「ここに」「追記」「差し替え」「あなたの」が目印です。
読者に「あなたの」と呼びかける文はふつうにあるので、「あなたの」だけで探すと、関係ないところもたくさん出ます。「ここに」と組み合わせて見てください。

2. 埋めていない伏せ字

一括生成したら◯分かかりました
料金は月額XX円です
(2026年◯月時点)

「あとで数字を入れる」つもりの印が、そのまま残る形です。
ここで、第2回の話が出てきます。丸の記号は、見た目が同じで別の文字のものが3つあります。

◯  大きな丸
〇  漢数字のゼロ
○  白い丸

1つで検索しても、ほかの2つは見つかりません。3つとも検索してください。

3. 下書きのメモ

スラッグ:pdf-thumbnail-plugin
SEOタイトル:〜
メタディスクリプション:〜
タグ:WordPress, PDF, プラグイン

記事を書くときに一緒に決めたものが、本文の上や下に残る形です。
自分が見つけたのは、スラッグの英字だけが残っていたものでした。見出しも説明もなく英字だけが1行あると、読者には何のことか分かりません。

4. AIの返事の、前と後ろ

承知しました。以下が記事の本文です。
(本文)
ほかにも、見出しの案を作ることもできます。必要でしたらお知らせください。

AIとのやりとりの画面から、返事を丸ごとコピーすると入ります。
記事のいちばん最初と、いちばん最後に出やすいので、そこだけでも見てください。

5. Markdown の記号

## 設定のしかた
**ここは必ず確認してください**
- 1つ目の項目

AIは、見出しや太字を Markdown という書き方で返すことがよくあります。
Markdown に対応していない場所(WordPress のクラシックエディターなど)に貼ると、## や ** が、記号のまま表示されます。

見つけ方:検索して、数える

第2回、第3回と同じで、読んで探すより、検索したほうが確実です。

WordPress なら、投稿の一覧で探せる

WordPress の管理画面の「投稿」→「投稿一覧」の右上にある検索欄は、タイトルだけでなく本文の中も探します。
公開済みの記事も、予約投稿も、下書きも、まとめて探せます。1本ずつ開かなくても、どの記事に残っているかが一覧で分かります。

公開前の1本だけを見るなら、編集画面で Ctrl + F(Mac は command + F)でも構いません。

検索する言葉の一覧

この記事からコピーして、検索欄に1つずつ貼ってください。

ここに
追記
差し替え
◯
〇
○
XX
TODO
(仮)
スラッグ
メタディスクリプション
SEOタイトル
承知しました
以下が
お知らせください
##
**

件数が0なら、その言葉は入っていません。

見つかっても、全部が残りではない

ここは、実際に検索してみて分かったことです。
「◯」や「〇〇」は、わざと使っていることも多いです。自分の記事でも、「無料は月◯回まで」という書き方や、「〇〇.plugin という名前のフォルダ」のように、あえて伏せている例がいくつも出てきました。
AIに渡す指示の例として「(ここに指摘を貼る)」と書いた記事もありました。これは、読者がそのまま使うための書き方なので、残っていて正しいものです。

なので、検索で見つかったら、その前後を読んで決めます。
判断の目安は1つだけです。その文は、読者に向けて書かれているか。 書き手に向けて書かれていたら、残りです。

残さないために、今していること

自分で入れる印は、ふつうの文章に出てこない形にする

あとで埋めるところに、自分で印を付けるときは、ふつうの文章では使わない形にしています。
自分は「★要追記」にしました。★は記事の中でほとんど使わないので、「★」で検索して0件なら、埋め残しはありません。
「◯」で印を付けると、わざと使っている「◯」と区別がつかなくなります。

AIに、本文とメモを分けてもらう

下書きを頼むときに、次のように添えています。

本文の中には、書き手への指示やメモを入れないでください。
こちらで追記してほしいところは、本文の中に「★要追記」とだけ書いてください。
確認してほしいことは、本文の外に、まとめて書いてください。

これで、書き手宛ての言葉が本文の外に出ます。本文の中に残るのは「★要追記」だけなので、検索1回で見つかります。

メモは、表示されない場所に置く

スラッグやタグなどのメモは、今は HTML のコメント(<!-- --> で囲んだところ)に入れています。コメントは、ページには表示されません。
ただし、ページのソースを開けば誰でも読めます。見られて困ることは、コメントにも書かないでください。

まとめ

  • AIの下書きには、書き手に向けた指示やメモが混ざることがある
  • 自分宛ての言葉は、自分には「メモ」に見えるので、読み返しても本文の一部に見えない
  • 残りやすいのは、指示文、埋めていない伏せ字、下書きのメモ、AIの返事の前後、Markdown の記号
  • 丸の記号は3種類ある(◯〇○)。3つとも検索する
  • WordPress は、「投稿一覧」の検索で本文の中まで探せる
  • 見つかっても、わざと書いたものもある。読者に向けた文かどうかで決める
  • 自分で付ける印は「★要追記」のように、ふつうの文章に出てこない形にする

前の3回は、読んでも気づかないものでした。今回のものは、読めば気づけます。
ただ、自分で書いたつもりの文章を、読者の目で読むのは難しいです。だから、ここでも検索に任せることにしました。

シリーズの3回は、次の記事です。

第1回:AIが書いた日本語に、別の言語の文字が混ざる
第2回:AIが書いた日本語に混ざる記号
第3回:AIが書いた文章の表記ゆれ

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