WindowsのPowerShell入門【2026年8月版】開き方から基本のコマンドまで

WindowsのPowerShellの開き方と基本のコマンドを解説するイメージ図 ITライフハック
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  1. この記事で分かること
  2. 1. PowerShell とは何か
    1. 1-1. 文字で操作する画面です
    2. 1-2. エクスプローラーと同じものを見ています
    3. 1-3. コマンドプロンプトとの違い
    4. 1-4. なぜ、わざわざ使うのか
  3. 2. 開き方
    1. 2-1. 3つの方法があります
    2. 2-2. 2つのバージョンがあります
    3. 2-3. Windows ターミナルについて
    4. 2-4. 開いたら、こういう画面が出ます
  4. 3. 画面の見方
    1. 3-1. プロンプトの読み方
    2. 3-2. ドライブという考え方
    3. 3-3. パスとは、フォルダの住所
    4. 3-4. \ が ¥ に見えることがあります
    5. 3-5. Mac との違い
  5. 4. 移動と確認
    1. 4-1. Get-Location いまどこにいるか
    2. 4-2. Get-ChildItem 中身を見る
    3. 4-3. Set-Location 移動する
    4. 4-4. 戻る、上がる
    5. 4-5. よく使う移動先
  6. 5. ファイルを扱う
    1. 5-1. New-Item 作る
    2. 5-2. Copy-Item コピーする
    3. 5-3. Move-Item 移動する・名前を変える
    4. 5-4. Get-Content 中身を見る
    5. 5-5. explorer エクスプローラーで開く
  7. 6. 楽をする方法
    1. 6-1. 短い別名が用意されています
    2. 6-2. Tab で補完する
    3. 6-3. ↑ で前のコマンドを呼び出す
    4. 6-4. エクスプローラーからドラッグする
    5. 6-5. Ctrl + C で止める
    6. 6-6. cls で画面を消す
  8. 7. コマンドの形
    1. 7-1. 動詞と名詞でできています
    2. 7-2. オプションはハイフンで始まります
    3. 7-3. 分からないコマンドを調べる
  9. 8. 実行ポリシー(最初に詰まるところ)
    1. 8-1. スクリプトが実行できない
    2. 8-2. なぜ、そうなっているのか
    3. 8-3. 現在の設定を確認する
    4. 8-4. 変更する
    5. 8-5. Unrestricted にはしないでください
    6. 8-6. 会社のパソコンの場合
  10. 9. 打ってはいけないコマンド
    1. 9-1. PowerShell の削除は、ごみ箱を通りません
    2. 9-2. 確認を出す設定
    3. 9-3. まず試してから実行する
    4. 9-4. 打ってはいけない組み合わせ
    5. 9-5. 気をつけるべきパターン
    6. 9-6. ネットで見かけたコマンドを、そのまま打たない
    7. 9-7. 安全に練習する方法
  11. 10. 困ったときは
    1. 10-1. 用語 ... が認識されません と出た
    2. 10-2. パスが存在しないため見つかりません と出た
    3. 10-3. アクセスが拒否されました と出た
    4. 10-4. スクリプトが実行できない
    5. 10-5. 日本語が文字化けする
    6. 10-6. とにかく分からなくなった
  12. 11. 次に何をするか
  13. まとめ

スタートメニューで検索すると、似たようなものが並んでいます。

PowerShell、Windows PowerShell、コマンドプロンプト、ターミナル。 どれを開けばいいのか、この時点で分からなくなる。しかも解説記事によって、指定されているものが違う。

Windowsで最初につまずくのは、たいていここだと思います。Macなら「ターミナル」の一択ですが、Windowsは入り口が複数あります。

結論から書くと、「PowerShell」で問題ありません。 そして、この記事の内容は、上に並んだどれで開いても同じように動きます。

PowerShell は、画面に文字を打ってパソコンを操作する道具です。慣れている人は当たり前のように使いますが、初めて開くと、何をどうすればいいのか分かりません。打ち間違えて壊してしまわないか、という不安もあると思います。

この記事では、その名前の違いを整理するところから始めて、最低限これだけ知っていれば困らないという範囲を扱います。

先に、この記事で覚えるコマンドは6つだけだと書いておきます。

Get-Location   いま自分がどこにいるかを表示する
Get-ChildItem  その場所にあるものを一覧で見る
Set-Location   別の場所へ移動する
New-Item       ファイルやフォルダを作る
Copy-Item      コピーする
Remove-Item    消す(※取り扱い注意)

長く見えますが、短い別名が用意されています。 そこは後半で説明します。


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この記事で分かること

  1. PowerShell とは何か
  2. 開き方と、画面の見方
  3. 移動と確認の方法
  4. ファイルの操作
  5. 楽をする方法
  6. 実行ポリシーの設定(最初に詰まるところ)
  7. 打ってはいけないコマンド

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1. PowerShell とは何か

1-1. 文字で操作する画面です

普段、Windowsを使うときはマウスでアイコンをクリックしています。フォルダを開く、ファイルを移動する、ごみ箱に捨てる。

PowerShell は、その操作を文字で行うための画面です。

「あのフォルダを開く」ではなく、「cd Documents」と打つ。やっていることは同じです。入り口が違うだけです。

1-2. エクスプローラーと同じものを見ています

エクスプローラーのフォルダ表示とPowerShellの文字表示が同じ場所を指していることを示した図

ここが、最初に納得しておくと楽になる部分です。

PowerShell は、エクスプローラーとまったく同じ場所を見ています。 別世界にあるわけではありません。

エクスプローラーで「ドキュメント」を開くのと、PowerShell で「ドキュメントに移動する」のは、同じことです。アイコンで見るか、文字で見るかの違いでしかありません。

PowerShell でファイルを作れば、エクスプローラーにもすぐ現れます。逆も同じです。

1-3. コマンドプロンプトとの違い

Windows には、コマンドプロンプトという似た画面もあります。黒い背景に C:\> と表示される、昔からあるものです。

違いを、ひとことで言います。

コマンドプロンプトは古く、PowerShell は新しい。 できることが多く、書き方も整理されています。

これから覚えるなら、PowerShell で問題ありません。 解説記事も、最近のものは PowerShell を前提にしているものが増えています。

1-4. なぜ、わざわざ使うのか

マウスで済むなら、そのほうが楽です。ではなぜ使うのか。

手順を書き残せます。 「このフォルダを開いて、右クリックして……」と説明するより、コマンドを1行渡すほうが確実です。解説記事にコマンドが載っているのは、このためです。

同じ作業を繰り返せます。 100個のファイル名を一度に変える、といった作業は、マウスだと大変です。

マウスでは操作できないものがあります。 開発者向けのツールの多くは、こうした画面からしか使えません。


2. 開き方

2-1. 3つの方法があります

スタートメニューから開く(おすすめ)。

Windowsキーを押して、そのまま「powershell」と入力します。候補に出てくるので Enter

これがいちばん速いので、覚えておくと便利です。

右クリックメニューから開く。

スタートボタンを右クリックすると、メニューに「ターミナル」または「Windows PowerShell」が出てきます。

エクスプローラーから開く。

これは便利なので、覚えておいてください。開きたいフォルダをエクスプローラーで表示した状態で、アドレスバーに powershell と入力して Enter

そのフォルダの場所で PowerShell が開きます。 移動の手間が省けます。

2-2. 2つのバージョンがあります

ここが、少し紛らわしいところです。

Windows PowerShell(バージョン5.1) は、Windowsに最初から入っています。青い背景のことが多いです。

PowerShell 7 は、後から追加でインストールするものです。新しく、機能も増えています。

この記事の内容は、どちらでも動きます。 最初から入っているほうで始めて問題ありません。

いま使っているものを確認するには、こう打ちます。

$PSVersionTable

PSVersion の行に、バージョンが表示されます。

2-3. Windows ターミナルについて

最近の Windows には、Windows ターミナルというアプリが入っています。

これは PowerShell そのものではなく、PowerShell やコマンドプロンプトを表示するための入れ物です。タブで複数開けたり、見た目を変えられたりします。

中身は同じなので、どちらから開いても、この記事の内容は変わりません。

2-4. 開いたら、こういう画面が出ます

PS C:\Users\yamada>

何も起きていないように見えますが、これで正常です。 命令を待っている状態です。


3. 画面の見方

3-1. プロンプトの読み方

さきほどの1行を、分解します。

PS C:\Users\yamada>
↑  ↑              ↑
|  |              └ ここから入力してください、という印
|  └ いまいる場所
└ PowerShell で動いている、という印

この1行をプロンプトと呼びます。「入力を待っています」という表示です。

> の後ろにカーソルがあれば、打てる状態です。

3-2. ドライブという考え方

Windows の場所の表し方には、ドライブという考え方があります。

C: D: といった記号です。ハードディスクを区切った単位だと思ってください。多くの場合、Windowsが入っているのは C: です。

ドライブを移動するときは、こう打ちます。

D:

3-3. パスとは、フォルダの住所

逆スラッシュ区切りのパスが、ドライブから始まる住所であることを示した図

コマンドを扱うときに、必ず出てくるのがパスという言葉です。

これは、ファイルやフォルダの住所だと思ってください。

C:\Users\yamada\Documents\report.txt

逆スラッシュ(\)で区切られています。 左から順に、上の階層からたどっていく形です。

この例だと、「Cドライブの、Usersフォルダの中の、yamadaフォルダの中の、Documentsフォルダの中の、report.txt」という意味になります。

エクスプローラーでフォルダをダブルクリックして潜っていくのと、同じことです。

3-4. \ が ¥ に見えることがあります

日本語環境では、逆スラッシュが円記号(¥)で表示されることがあります。

C:\Users\yamada
C:¥Users¥yamada

この2つは、同じものです。 フォントの都合で見た目が違うだけなので、気にしなくて大丈夫です。

キーボードでは、¥ キーで入力できます。

3-5. Mac との違い

Mac や Linux の解説記事を見ると、区切りが /(スラッシュ)になっています。

Windows は \(逆スラッシュ)です。 ここが最初に混乱するところです。

ただ、PowerShell では / を使っても動くことが多いです。厳密に区別する必要がある場面は、初心者のうちはあまりありません。


4. 移動と確認

ここから、実際にコマンドを打ちます。打ったあとは、必ずEnterを押してください。

4-1. Get-Location いまどこにいるか

Get-Location

こう表示されます。

Path
----
C:\Users\yamada

迷子になったら、まずこれです。

短く打ちたいときは、こうも書けます。

pwd

同じ動きをします。 この仕組みは、後半の「楽をする方法」で説明します。

4-2. Get-ChildItem 中身を見る

Get-ChildItem

いまいる場所にあるファイルとフォルダが、一覧で表示されます。

    ディレクトリ: C:\Users\yamada

Mode      LastWriteTime    Length Name
----      -------------    ------ ----
d-----  2026/08/01  10:23         Desktop
d-----  2026/07/15   9:11         Documents
d-----  2026/08/02  18:40         Downloads
-a----  2026/08/03  14:02    1024 memo.txt

Mode の欄が読み方の鍵です。先頭が d ならフォルダ- ならファイルです。

これも短く書けます。

ls
dir

どちらでも同じ結果になります。

名前だけを見たいときは、オプションを付けます。

Get-ChildItem -Name

隠しファイルも見たいときは、こうです。

Get-ChildItem -Force

4-3. Set-Location 移動する

Set-Location Documents

ドキュメントフォルダに移動します。プロンプトの表示が変わるはずです。

PS C:\Users\yamada\Documents>

短く書くなら、こうです。

cd Documents

移動したら ls で中身を確認する。 この繰り返しが、基本の動作です。

4-4. 戻る、上がる

cd ..

.. は「ひとつ上の階層」を表します。エクスプローラーの「上へ」に近い動きです。

cd ~

自分のホームフォルダ(C:\Users\ユーザー名)に戻ります。迷子になったときの避難先として覚えておいてください。

4-5. よく使う移動先

cd ~\Desktop      デスクトップへ
cd ~\Documents    ドキュメントへ
cd ~\Downloads    ダウンロードへ

5. ファイルを扱う

5-1. New-Item 作る

フォルダを作る場合。

New-Item -ItemType Directory -Name test

ファイルを作る場合。

New-Item -ItemType File -Name memo.txt

-ItemType で、フォルダかファイルかを指定します。 ここを省略すると聞かれるので、付けたほうが早いです。

フォルダを作るだけなら、短い書き方もあります。

mkdir test

5-2. Copy-Item コピーする

Copy-Item memo.txt memo-backup.txt

左が元、右がコピー先です。この順番は、他のコマンドでも共通です。

フォルダごとコピーするときは、オプションが要ります。

Copy-Item project project-backup -Recurse

-Recurse は「中身も全部」という意味です。これを忘れると、中身がコピーされません。

短い別名は cp です。

5-3. Move-Item 移動する・名前を変える

Move-Item memo.txt ~\Desktop\

デスクトップに移動します。

Move-Item memo.txt note.txt

同じ場所で名前だけを変えると、リネームになります。 移動と改名が同じコマンドなのは、最初は不思議に感じるかもしれません。

名前を変えるだけなら、専用のコマンドもあります。

Rename-Item memo.txt note.txt

5-4. Get-Content 中身を見る

Get-Content memo.txt

テキストファイルの中身が表示されます。短い別名は cat です。

長いファイルだと、画面が流れて読めません。 そのときは、最初や最後だけを見ます。

Get-Content memo.txt -Head 10
Get-Content memo.txt -Tail 10

5-5. explorer エクスプローラーで開く

これは覚えておくと便利です。

explorer .

いまいる場所を、エクスプローラーで開きます。 . は「現在地」を表す記号です。

PowerShell で移動して、中身をエクスプローラーで確認したいときに便利です。

Invoke-Item memo.txt

ファイルを、標準のアプリで開きます。


6. 楽をする方法

ここを知らないまま使っている人が、けっこういます。 覚えると、体験がまったく変わります。

6-1. 短い別名が用意されています

Get-Location    →  pwd, gl
Get-ChildItem   →  ls, dir, gci
Set-Location    →  cd, sl
Copy-Item       →  cp, copy
Move-Item       →  mv, move
Remove-Item     →  rm, del
Get-Content     →  cat, type

この別名は、エイリアスと呼ばれます。

面白いのは、Mac や Linux で使われるコマンド名が、そのまま使えることです。lscdpwd も動きます。

つまり、Mac向けの解説記事に出てくるコマンドが、そのまま通ることがあります。 ただし、オプションの書き方は違うので、そこは注意してください。

自分が使いたい別名があるか調べるには、こうします。

Get-Alias ls

6-2. Tab で補完する

フォルダ名やファイル名を、全部打つ必要はありません。

途中まで打ってTabキーを押すと、残りが自動で入ります。

cd Doc

ここでTabを押すと、こうなります。

cd .\Documents\

打ち間違いも防げます。 存在しない名前は補完されないので、Tabが効かない時点で「名前が違う」と分かります。

PowerShell では、コマンド名も補完できます。 Get-Ch まで打って Tab を押すと、Get-ChildItem になります。

6-3. ↑ で前のコマンドを呼び出す

上矢印キーを押すと、さっき打ったコマンドが出てきます。 何度も押すと、さらに前のものへ遡れます。

6-4. エクスプローラーからドラッグする

これがいちばん便利かもしれません。

PowerShell に cd (半角スペースまで)と打っておいて、エクスプローラーからフォルダをドラッグ&ドロップします。

すると、そのフォルダのパスが自動で入力されます。

深い階層にあるフォルダに移動したいとき、パスを手で打つ必要がありません。

6-5. Ctrl + C で止める

何かが動き続けて止まらないとき、CtrlキーとCキーを同時に押すと中断できます。

困ったときの脱出方法として、覚えておいてください。

6-6. cls で画面を消す

cls

表示が溜まって見づらくなったら、これで一掃できます。ファイルが消えるわけではありません。


7. コマンドの形

7-1. 動詞と名詞でできています

PowerShellのコマンドが動詞と名詞の組み合わせでできていることを示した図

ここまでで気づいたかもしれませんが、PowerShell のコマンドには規則性があります。

Get-Location      取得する - 場所
Get-ChildItem     取得する - 項目
Set-Location      設定する - 場所
New-Item          新しく作る - 項目
Copy-Item         コピーする - 項目
Remove-Item       消す - 項目

「動詞 – 名詞」の形になっています。

この規則が分かると、知らないコマンドも意味が推測できます。 Get-Process なら「プロセスを取得する」、Stop-Service なら「サービスを止める」。

これは PowerShell の大きな利点です。Mac のコマンドは ls cp rm のように短くて覚えにくいのですが、PowerShell は長いかわりに読めば分かります。

7-2. オプションはハイフンで始まります

コマンド名        オプション         対象

Get-ChildItem    -Name
Copy-Item        -Recurse           project  project-backup
New-Item         -ItemType File     memo.txt

オプションは、意味が分かる単語になっています。-Recurse(再帰的に)、-Force(強制的に)、-Name(名前だけ)。

7-3. 分からないコマンドを調べる

Get-Help Get-ChildItem

説明が表示されます。

使用例だけ見たいときは、こちらが便利です。

Get-Help Get-ChildItem -Examples

ブラウザで公式の説明を開くこともできます。

Get-Help Get-ChildItem -Online

8. 実行ポリシー(最初に詰まるところ)

Windows特有の関門です。ここで止まる人が多いので、独立した章にします。

8-1. スクリプトが実行できない

解説記事の手順どおりにやっているのに、こんなエラーが出ることがあります。

このシステムではスクリプトの実行が無効になっているため、
ファイル ****.ps1 を読み込めません。

打ち間違いではありません。 Windows の安全機能が働いています。

8-2. なぜ、そうなっているのか

PowerShell のスクリプト(.ps1 というファイル)は、初期状態では実行できないようになっています。

理由は、悪意のあるスクリプトを勝手に実行させないためです。メールに添付されたファイルを、うっかり実行してしまう事故を防いでいます。

この制限自体は、あなたを守るためのものです。

8-3. 現在の設定を確認する

Get-ExecutionPolicy

Restricted と表示されたら、スクリプトの実行が禁止されている状態です。

8-4. 変更する

自分で書いたスクリプトを実行したいなら、こう設定します。

Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser

確認を求められたら、Y を入力して Enter

設定の意味を説明します。

RemoteSigned は、「自分で作ったスクリプトは実行できる。ネットから落としたものは、署名がないと実行できない」という設定です。安全性と利便性のバランスが取れています。

-Scope CurrentUser は、「いまログインしている自分だけに適用する」という指定です。これを付けると、管理者権限なしで設定できます。

確認します。

Get-ExecutionPolicy

RemoteSigned になっていれば成功です。

8-5. Unrestricted にはしないでください

解説記事によっては、こう書かれていることがあります。

Set-ExecutionPolicy Unrestricted

これはすべてのスクリプトを無条件で実行できる設定です。手っ取り早いのですが、安全機能を丸ごと切ることになります。

RemoteSigned で足りる場面がほとんどです。困っていないなら、変えないでください。

8-6. 会社のパソコンの場合

会社から支給されたパソコンでは、この設定が管理側で固定されていることがあります。

その場合、変更しようとしてもエラーになります。無理に回避しようとせず、情報システム部門に確認してください。


9. 打ってはいけないコマンド

ここが、この記事でいちばん大事な章かもしれません。

9-1. PowerShell の削除は、ごみ箱を通りません

エクスプローラーで消すとごみ箱に入るが、PowerShellで消すとごみ箱を通らないことを示した図

まず、これを知っておいてください。

エクスプローラーでファイルを消すと、ごみ箱に入ります。間違えても戻せます。

PowerShell の Remove-Item は、ごみ箱を通りません。 その場で消えます。戻す方法はありません。

Remove-Item memo.txt

これで、memo.txt は消えます。

9-2. 確認を出す設定

不安な方は、こうすると確認が出ます。

Remove-Item memo.txt -Confirm

慣れるまでは、これを付ける習慣にするのがおすすめです。

9-3. まず試してから実行する

PowerShell には、便利な安全装置があります。

Remove-Item project -Recurse -WhatIf

-WhatIf を付けると、実際には実行せず、「何が起きるか」だけを表示します。

WhatIf: 対象 "C:\Users\yamada\project" に対して操作 "削除" を実行します。

危ないコマンドを打つ前に、必ずこれで確認してください。 これは Mac にはない、PowerShell の良いところです。

9-4. 打ってはいけない組み合わせ

次のコマンドは、絶対に打たないでください。

Remove-Item C:\ -Recurse -Force

これは、Cドライブ全体を削除しようとするコマンドです。

-Recurse は「中身も全部」、-Force は「確認せず強制的に」、C:\ は「ドライブ全体」。この3つが揃うと、取り返しがつきません。

9-5. 気をつけるべきパターン

Remove-Item-Recurse -Force の組み合わせが危険です。とくに、次のような対象と一緒のとき。

Remove-Item C:\ -Recurse -Force      ドライブ全部
Remove-Item ~ -Recurse -Force        ホームフォルダ全部
Remove-Item * -Recurse -Force        いまいる場所の中身、全部
Remove-Item . -Recurse -Force        いまいる場所そのもの

* は「全部」を表す記号です。 これを軽い気持ちで使うと、想定より広い範囲が消えます。

9-6. ネットで見かけたコマンドを、そのまま打たない

これも大事です。

解説記事や、質問サイトのコメントに書かれているコマンドを、意味が分からないまま貼り付けて実行しないでください。

とくに「管理者として実行」が必要なものは要注意です。 保護されている場所にも手が届きます。

次のような形を見かけたら、実行する前に必ず調べてください。

irm ... | iex

これは、インターネット上のスクリプトを取得して、そのまま実行するという意味です。信頼できる配布元でない限り、実行しないでください。

9-7. 安全に練習する方法

練習用のフォルダを作って、その中だけで試すのがおすすめです。

mkdir ~\powershell-practice
cd ~\powershell-practice

この中なら、何を作っても消しても、他に影響しません。


10. 困ったときは

10-1. 用語 ... が認識されません と出た

用語 'lls' は、コマンドレット、関数、スクリプト ファイル、
または操作可能なプログラムの名前として認識されません。

打ち間違いか、そのコマンドが存在しないということです。まずスペルを確認してください。

10-2. パスが存在しないため見つかりません と出た

指定した名前のファイルやフォルダが、そこにないということです。

ls で中身を確認して、名前が合っているか見てください。Tab 補完を使うと、この間違いは減ります。

10-3. アクセスが拒否されました と出た

権限がなくて操作できないという意味です。

システムの重要な場所を触ろうとしている可能性があります。その場合、無理に管理者権限で実行しないでください。 なぜ権限が必要な場所なのかを、先に確認したほうが安全です。

10-4. スクリプトが実行できない

8章の実行ポリシーを確認してください。

10-5. 日本語が文字化けする

chcp 65001

文字コードを UTF-8 に変更します。そのウィンドウを閉じるまで有効です。

10-6. とにかく分からなくなった

ウィンドウを閉じて、開き直してください。 PowerShell を閉じても、パソコンには何の影響もありません。


11. 次に何をするか

ここまでで、基本の操作はできるようになっています。

まずは、練習用フォルダで慣れてください。 cd で移動して、ls で見て、mkdir で作る。この繰り返しで、感覚がつかめます。

そして、解説記事に出てくるコマンドが読めるようになっているはずです。「PowerShell を開いてください」で止まっていたものが、進められるようになります。


まとめ

  • PowerShell は、エクスプローラーと同じ場所を文字で操作する道具
  • 覚えるのは、まず pwd ls cd(正式名は Get-Location などですが、短い別名で足ります)
  • パスは \ 区切り。¥ に見えても同じもの
  • コマンドは「動詞 – 名詞」の形。規則が分かると、知らないコマンドも読める
  • Tab で補完できる。 コマンド名も補完される
  • エクスプローラーからドラッグすると、パスが入る
  • スクリプトが実行できないときは、実行ポリシーを確認(RemoteSigned にする)
  • Unrestricted にはしない。 安全機能を丸ごと切ることになる
  • Remove-Item はごみ箱を通らない。 戻せない
  • 危ないコマンドは、先に -WhatIf で確認する
  • 意味の分からないコマンドを、そのまま貼り付けない

最初は名前の多さで戸惑うと思いますが、入り口が違うだけで、中で使うコマンドは同じです。そこが分かれば、あとは打って慣れるだけになります。

-WhatIf を知っているだけでも、かなり安心して試せます。 危ないと思ったら、まず実行せずに結果だけ見る。この習慣があれば、大きな失敗はしません。

※本記事の情報は2026年8月時点のものです。Windowsのバージョンや PowerShell のバージョンによって、表示が異なる場合があります。

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