前回は、AIが書いた日本語に別の言語の文字が混ざるという話でした。
今回は、もっと見つけにくいものです。
記号だけが違っている場合。
文字は日本語。意味も合っている。ただ、そこに使われている記号が、日本語の文章で普通に使うものではない。

並べてみると、こうです
まず、見てもらったほうが早いと思います。
ー 長音符(ラーメンの「ー」)
— エムダッシュ
― 水平線
‐ ハイフン
─ 罫線 全部、別の文字です。
フォントによっては、ほとんど区別がつきません。並べて初めて、長さが違うと分かる程度です。
文章の中に1つ混ざっていても、まず気づきません。
よく混ざるもの
自分が見つけた範囲で、多いものを挙げます。
エムダッシュ
いちばん多いのが、これです。
この方法は速い — ただし条件があります 英語の文章では、ごく普通の書き方です。 文の途中で話を切り替えるときに使われます。
日本語では、あまり使いません。 使うとしても、括弧や読点で済ませることが多い。
まっすぐな引用符
“この設定” を変更します
'こちら' を選んでください 日本語なら「かぎ括弧」を使うところです。
丸まった引用符が入っていると、英文の中に日本語が置かれているような見え方になります。
ピリオド3つ
そして...そのまま公開しました
そして……そのまま公開しました 上はピリオドを3つ並べたもの。下は三点リーダーです。
日本語の組版では、三点リーダーを2つ並べるのが伝統的な形です。ピリオド3つは、英文の書き方です。
波の記号
10時〜12時
10時~12時 この2つも、別の文字です。 波ダッシュと、全角チルダ。
見分けがつかないのに、環境によっては片方が文字化けすることがあります。
全角の英数字
WordPress 6.0
WordPress 6.0 これは目で見て分かりますが、数字だけ全角になっているような場合は見落とします。
なぜAIが出すのか
英語の文章を大量に読んで学んでいるからだと思います。
エムダッシュも、丸まった引用符も、英語では正しい書き方です。 間違って覚えたものではありません。
日本語を書くときに、英語の組版の習慣が残ってしまう。 そういう形で出てきます。
前回の方法では、見つかりません
ここが、前回と違うところです。
前回は、日本語の文字コードで保存してみるという方法を書きました。日本語でない文字が入っていると、警告が出る。
記号には、これが効きません。
エムダッシュも、丸まった引用符も、三点リーダーも、日本語の文字コードに入っています。 保存しても、警告は出ません。
別の方法が要ります。
検索して、数える
これがいちばん確実です。
文書作成ソフトの「検索と置換」を使います。Word でも、Googleドキュメントでも、メモ帳でも構いません。
手順
1. 文章を、文書作成ソフトに貼り付ける
2. 「検索」を開く
3. 探したい記号を1つずつ入れて、件数を見る
4. 見つかったら、置き換える 件数が0なら、その記号は入っていません。
探す記号の一覧
この記事からコピーして、検索窓に貼ってください。 手で入力しようとしても、たいてい出せません。
—
–
―
‐
“
”
‘
’
...
~ 1つずつ検索して、件数を確認します。
置き換えの目安
— → 読点、または括弧に書き換える
“” → 「」
‘’ → 『』、または削除
... → ……
~ → 〜(表記を揃える) エムダッシュは、機械的に置き換えられません。 文の構造を変える必要があるので、そこだけは書き直しになります。
全部直す必要はありません
ここは、はっきり書いておきます。
これらの記号は、間違いではありません。 日本語の組版の習慣と違う、というだけです。
英文を引用する部分で丸まった引用符を使うのは、むしろ正しい。
大事なのは、揃っているかどうか
同じ文章の中で、混ざっているのがいちばん良くないと思っています。
あるところは「かぎ括弧」で、別のところは丸まった引用符。読んでいて、落ち着きません。
どちらかに決めて、揃える。 それだけで、文章の印象が変わります。
自分の決め方
参考までに、自分はこう決めています。
引用・強調 → 「」を使う
説明の挿入 → 読点か括弧。エムダッシュは使わない
省略 → ……(三点リーダー2つ)
範囲 → 〜(波ダッシュに統一)
英数字 → 半角
決めておくと、迷わなくなります。 そして、検索したときに何を探せばいいかもはっきりします。
気づいたきっかけ
指摘されるまで、まったく見えていませんでした。
前回も書きましたが、読むときは意味を追っているので、記号の形を確かめていません。
そして記号は、意味を持ちません。 文字なら「この単語おかしいな」と思う余地がありますが、記号は流れの一部として通り過ぎます。
文字より、さらに気づきにくい。
一度やれば、次から楽です
最初の1回だけ、時間がかかります。
過去の文章を確認して、どの記号が入りやすいかを把握する。そして、自分のルールを決める。
そこまでやれば、次からは検索して数えるだけです。数分で済みます。
置き換えのリストも、一度作れば使い回せます。
まとめ
- AIが書いた日本語に、英語の組版で使う記号が混ざることがある
- 多いのは、エムダッシュ/丸まった引用符/ピリオド3つ/全角チルダ
- 英語では正しい書き方。間違いではなく、習慣が違うだけ
- 前回の「文字コードで保存」では見つからない。 記号は日本語の文字コードに入っている
- 確認は、文書作成ソフトの検索で数える
- 記号は手で入力できないので、この記事からコピーして検索窓に貼る
- 全部直す必要はない。 大事なのは、同じ文章の中で揃っていること
- エムダッシュだけは、機械的に置き換えられない(文を書き直す)
- 自分のルールを決めておくと、迷わない
記号は、意味を持ちません。 だから、読んでいても引っかかりません。
文字より気づきにくいのは、そのためだと思っています。
次回は、同じことを違う表記で書いている場合を扱います。1か所ずつ見れば正しいので、これも通ってしまいます。


