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元職員が教える、ハローワークの賢い使い方 14 ~障害者求人がかかえる大きな問題点~

障害者求人 働く-Work
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前回は、障害者窓口を利用することのメリットを詳しくご説明しました。働くうえで何か配慮が必要な場合は、迷わず障害者相談窓口を利用してうまく就職活動を進めましょう。

が、今回は、障害者求人の少し悲しい現状をお話しします。世の中に問題提起する視点を皆さまにも持って頂けたらと考えています。

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障害者求人の特徴

ハローワークで公開されている障害者求人について、解説していきます。

検索方法

ハローワークインターネットサービス -障害者求人の検索

ハローワークの障害者求人は、ハローワークインターネットサービスからも閲覧できます。

検索画面の「求人区分」で「障害のある方のための求人」を選びます。
その中の「フルタイム」と「パート」のどちらか、あるいは両方を選択することもできます。

あとはその他の条件を入力していきますが、どんな求人が出ているのか全体的な傾向を掴むにはとりあえず、その他の条件は入力せずに見てみると、興味深いものが見つかったりします。

とはいえ、あまりにも求人数が多いと閲覧するのも大変ですので、最初は職種と就業場所をまず入力して検索してみると良いでしょう。

内容が細かく書かれたものも

求人票に設けられている記載項目は、基本的に一般求人と同じですが、仕事内容の説明が詳しく書かれたものもあります。応募者自身が、その仕事が自分に可能かどうか、合っているかどうか判断できるようにとの意図ですので、詳しいものは大変参考になりますよね。

障害者求人特記事項

また、社内のバリアフリー情報(段差、トイレ、エレベーター、電話応対有無など)を「求人に関する特記事項」欄に記載しているものもありますので、気になる方は要チェックです。

職員が予備情報を持っている事もある

求人票を出した企業は、ハローワークと詳細なやり取りをしている場合があります。

例えば障害者雇用率が達成できていない企業の場合、どのような求人を出せば採用に至りやすいかハローワーク職員と相談を重ねたうえで求人を提出したりします。

ハローワーク職員が事前に企業を訪問して現場の様子を見たり、人事担当者の話を聞いたり。そこで得た情報があれば、求職者が窓口へ相談に行った際、教えてくれることもあるでしょう。

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障害者求人のデメリット

「障害がある人には障害者求人があって羨ましいよ」と思った人はおられるでしょうか?

実は、障害者求人は、簡単に「羨ましい」と言えるようなお花畑の世界ではありません。次の数字をご覧ください。

正社員求人の割合が極端に少ない!

障害者求人数

この記事を執筆している日に調査した、ハローワークインターネットサービスで公開されている障害者求人を調査した数字です(検索対象は「フルタイム求人」のみ。地域や年齢等の詳細条件は未入力)。

一般求人では、フルタイム求人の総数は765,540件。そのうち正社員は約81%の617,774件でした。

一方、障害者求人のフルタイム求人の総数は5,785件。そのうち正社員は約42%の2,421件でした。

障害者求人の総数が少ないのは仕方がないとしても、正社員求人の割合の少なさは、一般求人と比べると約半分なのです。

契約社員など非正規求人が多く、「障害があるだけで正社員になれない」。

これは正常な社会なのでしょうか。

過小評価

ずっと私が疑問を持ち続けている問題です。

「障害者求人」だと、なぜ非正規雇用の待遇になってしまうのか。

そして、「担当する業務もなぜか簡単なものばかりで時間を持て余してしまう」や「一緒の時期に入社した健常者の同期は責任のある仕事に就かせてもらうのに自分はいつまでも補助的な仕事のままだ」といった、就職した人からの声を聞くことも多かったです。

おそらく企業側には「障害者にはこれぐらいしか無理だろう」という思い込みがあり、障害者の能力を過小評価してしまっていることが多いように思います。

あるいは、負担が大きい仕事を押し付けたとして障害者から抗議されるのが怖いから簡単な仕事をあてがっている?と思うような求人もありました。
障害者も一人の人です。その人ときちんと向き合って話し合いながら仕事内容を考えていけばいいのです。怖がる必要はありません。対応に慣れていないのなら、ハローワークなど第三者も含めて進めていけばいいのです。

障害者雇用率の呪縛

障害者雇用率が未達成の企業の場合、雇用率の算定対象となる障害者だけを採用したいというところもあります。例えば発達障害者のかたでは、障害者手帳を持っていない人は雇用率算定の対象にはなりません

単なる雇用率達成だけを目的としている企業の場合は、このような理由で応募者をこっそりと選別していることもあるのです。

企業への提言。「障害がある」だけで待遇に差をつけるな。

会話する4人の若者

健常者でも人それぞれ苦手な事があります。そして障害があっても少しの工夫で「健常者と自称している人達」と同等の仕事が出来る人もたくさんいます。

入社してすぐは確かにその人の能力をまだ判断しづらいでしょう。何ができるのか、できないのか。障害ゆえのバリアとなるものは何か。

しかしそれは健常者の新入社員だって、同じですよね。学歴と採用面接でなんとなくその人のスペックは分かったけど、はたして実務でどれぐらいできる人なのか。実際に働き始めれば、なぜか遅刻や約束忘れが多い、マルチタスクが苦手…など様々な弱点が見えてくる人もいます(案外、本人も発達障害などを持っていたが知らなかった、診断を受ける機会が無かったというケースも多いのかもしれません)。でも最初から正社員で採用してもらえるのです。

正社員の待遇だけにこだわる必要は無いかもしれませんが、正社員で働きたいと願う人が「いつでも打ち切られる可能性がある非正規」では、安心して働けない、将来設計もできないというのは障害が無い人でも容易に想像できることでしょう。

つまり、入社時点で「障害がある」というだけで待遇を低くするのはナンセンスだということなのです。

入社時点で健常者だったから正社員で採用し、在職中に障害を負ったら非正規雇用にする、などということは許されませんよね?(労働基準法的に禁止されています)

中途障害になっても、その職場で可能な業務に配置転換したり工夫したりで(本人が望めば)勤め続けるケースは多くあります。

最近は、障害の有無で待遇に差を付けない会社も増えてきました。「障害者求人」などと区別して求人は出さず同じ選考過程を経て、たまたま障害がある人だったならば、配属や担当業務を決めるときに考えていけばいいという方法など。欧米ではこの形が主流です。

「障害者雇用枠」じゃなかったら、いろいろ配慮してもらえないのではないかとの不安もあるかもしれませんが、特殊な採用枠であろうが無かろうが、障害があろうが無かろうが、その人にとって必要な配慮はお互いに認め合い共存し合うのが健全な社会なのではないでしょうか。

障害だけでなく、家族の介護や育児などで大変な状況にある人たちにもいえることです。

結局は、障害者にとって働きやすい社会というのは、障害が無い人達にとっても働きやすい社会になるということだと、皆が気付くべき時に来ているのではないでしょうか。

あえて一般求人に応募する方法も

障害があっても、一般求人へ応募する事は可能です。

障害があっても、それほど大きな配慮を必要としない場合や、業務を遂行するのに支障が無さそうな時は一般求人からも応募してみよう。
待遇や職種の選択肢が、ぐっと広がります。

ただ、あらゆる人がくる枠での応募になりますので、応募時に自分の障害について企業へきちんと説明しアピールしていく必要がありますので、ハローワーク職員と相談しながら検討してみましょう。

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