40代になって発達障害の診断を受けた「くまたろう」です。当事者として日々の気づきを発信しています。
今回の記事は「発達障害とはどのようなものか」です。
発達障害はたびたび名称が変化し、時代によって呼び方が異なります。そして名称も馴染みのない方には複雑でわかりづらく、「結局、何の病気なの?」と思う方もいらっしゃると思います。
これから、以下のことを簡単に解説していきます。
- 発達障害とは
- 発達障害の種類
- 発達障害の人が社会生活で直面する困難
- 発達障害を持つ人に必要な配慮
今回は、発達障害をまだよく知らない方を対象に書いています。そのため難しい説明や、特殊なケースの紹介は省いています。発達障害の理解が広がることで、当事者やご家族だけでなく、周辺の方々も生きやすい社会になることを願います。
発達障害とは
発達障害とは脳の発達において、社会的・認知的・言語的な機能に問題がある状態です。要点を以下にまとめます。
- 一般的に、幼児期や児童期に診断されることが多い
- 生涯にわたって影響を与えることがある
今回の記事で一番伝えたいこと、それは発達障害は、
『本人の努力不足ではなく、脳機能の働きがちょっと違うこと』
まずは、こんな風に捉えてみてください。
発達障害の種類
発達障害として分類されている特性は多岐に渡りますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
- 注意力の欠如、すぐに気が散る、忘れ物が多いなど
- 衝動的な行動、落ち着きがない、じっとしていられない、手足を絶えず動かす
- 過剰な活動性
これらの特性は学校や社会生活で重大な障害になることがあります。原因は脳内の神経伝達物質のバランス不調によると言われています。
自閉症スペクトラム障害(ASD)
- コミュニケーションが苦手
- こだわりの強さ
- 感覚の困難
自閉症スペクトラムは個人差が非常に大きいと言われています。そして幅広い特性を持っています。そのため、必要な支援が一概に言えないことも特徴です。
「自閉症」という言葉からすると、おとなしく暗い印象を受けますが、決してそのような人ばかりではありません。
学習障害(SLD)
- 読み書き障害(文字の形の区別がつきにくい、文章の理解が難しい)
- 書字障害(文字が浮かばないなど)
- 算数障害(数の大小や関係性の理解が困難、計算過程が処理できない)
学習に関する機能障害です。知的障害や感情障害とは異なります。全ての学習ができないわけではありません。できる部分があるが故に「選り好みしている」「努力していないだけ」と誤解されやすい特性です。
私は簡単な計算も苦手なので、レジを扱う仕事をするとかなりの頻度で現金差異を発生させていました。すると、盗難の疑いをかけられたりしまい、生きづらさを感じていました。
言語障害
- 吃音
- 生まれつき
- 遺伝的要因や脳の発達異常が関与しているとされている
- 学校生活や社会生活に困難をもたらすことがある
うまく話せないことから、ますます話さなくなるという悪循環につながりやすくなります。
発達障害の人が抱える社会的で直面する困難
私の体験談になりますが、「何に1番困ったか」と聞かれたらこう答えます。
「周囲の人に迷惑がかかったとき、人格のせいとして片付けられてしまう」
これに尽きました。これから発達障害の人が抱える日常の困りごとをご紹介します。
- コミュニケーションの困難:相手の表情を読み取ることが苦手、言葉の理解が困難
- 社会的ルールの理解の困難:マナーやルール違反を指摘されることが多くなる
- 集団行動の苦手意識:多くの人が集まる場所に苦手意識、社会的イベントの参加が困難
- 日常生活の困難:時間やスケジュールの管理、生活スタイルの乱れ
私はどこの世界に行っても、KY・不真面目・いい加減な人・自己中と言われてきました。もちろん、そんな自分を改善しようと努力したつもりでしたが、なかなか改善されませんでした。
また、発達障害を抱える人は少数派であるため「いじめや偏見の対象になる可能性が高くなる」という報告があります。そのため二次障害を発生させやすく、不登校やひきこもり、うつ病などの問題を抱えやすくなります。
発達障害を持つ人に必要な配慮
海外では早期発見と適切な支援が大切とされています。しかし、日本では「まずは様子をみましょう」となり、支援が遅れがちな傾向にあります。
個人のニーズに合わせた教育や早期治療が受けられる環境を作りつつ、何より家族や周囲の人々の理解も重要です。以下に、発達障害の人に必要な支援や配慮をご紹介します。
専門家による診断と治療
言語療法、行動療法、認知療法など
教育支援
個人に合わせた支援、特別支援教育、個別支援など
職業支援
就労支援や生活支援
家族や周囲の人々の理解と支援
コミュニケーション面での支援など
繰り返しになりますが、特性には個人差があります。そのため個人に合わせた支援計画を立てることが重要です。
私の場合は聞くことが苦手です。聞き違いや取り違いをしがちです。そのため必要な支援としては視覚に訴えるようなコミュニケーションが助かります。例えばメモやメールでのコミュニケーション。動画による学習だと比較的理解しやすい傾向にあります。
まとめ
発達障害の人が持つ特性は、発達でない人も少なからず持っています。例えば「遅刻をしてしまう」「忘れ物をする」などです。他には「計算が苦手」などがあると思います。
そのため、「私だってそう!」「努力して気をつけている!』と思われがちです。発達障害のメカニズムを知らないと、怠けているように見えてしまいます。
とは言え、発達障害を抱える人たちの特性を我慢する必要はありません。まずは、そういう人がいるということを知ることが大切です。そして、実行可能な環境調整を行なってあげましょう。