この記事は、freee会計のアフィリエイト広告(PR)を含みます。筆者は、自分の事業の帳簿に freee会計(スタンダードプラン)を使っています。
帳簿上の売上が、実際より29,500円多くなっていました。
前編で制度の話を書きました。給与は帳簿に入れず、確定申告のときに事業所得と合算する。源泉徴収は前払いにすぎない。事業の赤字は給与から引ける。
そこまでは読めば分かります。分からなかったのは、それを会計ソフトに落とし込むときのほうでした。


この記事でつまずいた箇所は5つあります。Stripe からの入金を売上として二重に計上していたこと。プライベート口座に着金したぶんが帳簿から消えていたこと。預金の利息を事業の収入に入れていたこと。ドル建てのサブスクをどのレートで円に直すか決まっていなかったこと。そして海外サービスの消費税区分が、途中から変わっていたこと。
金額はすべて架空の数字に置き換えて書きます。構造は実際のものと同じです。
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売上ではなかった入金
Stripe で決済を受けていると、売上が立ったタイミングと、お金が銀行に届くタイミングがずれます。決済のたびに Stripe の残高が増えて、月に1回か2回、まとめて銀行口座に振り込まれます。この振り込みが payout です。
ここで何が起きていたか。銀行の入金明細に Stripe から29,500円が入ってきます。freee の自動で経理がそれを拾って、収入として登録するかと聞いてきます。入ってきたお金なので、売上高で登録してしまう。
でもその29,500円の中身は、すでに Stripe 側で1件ずつ売上高として計上済みの決済です。同じ売上を2回数えたことになります。
気づいたきっかけは、Stripe 口座の残高でした。帳簿上は41,500円あることになっている。ところが Stripe の管理画面を開くと残高はゼロです。
差額を調べたら、41,500円は payout 3件の合計とぴったり一致しました。12,000円、9,500円、20,000円。1円も違わない。
payout は、売上ではなく口座の移動です。Stripe という財布から銀行という財布にお金を移しただけなので、freee では口座振替として登録します。収入でも支出でもありません。
ここで遠回りをしました。freee の取引データをCSVで書き出しても、口座振替は含まれません。取引の一覧を眺めているだけでは、口座振替がどう登録されているか見えない。
総勘定元帳を口座ごとに出して、ようやく状況がつかめました。3件とも口座振替として登録はされていて、ただし振替先が「現金」になっていました。実在しない現金が41,500円ぶん積み上がっていたわけです。
直し方はこうなります。まず、銀行側で売上高として登録してしまった2件を削除する。次に、その入金明細を自動で経理からもう一度開いて、口座振替・カード引き落としのタブに切り替え、振替元に Stripe を選ぶ。振替先が現金になっている誤った口座振替は、総勘定元帳の現金の明細から直接開いて削除する。
残った1件、12,000円が厄介でした。これは事業用口座を開設する前に、プライベートの銀行口座に着金していたぶんです。その口座は freee に登録していません。
登録していない口座への出金は、口座振替では処理できません。事業のお金を自分の財布に移したことになるので、事業主貸で記帳します。支出、勘定科目は事業主貸、税区分は対象外、決済口座は Stripe。
これで Stripe の残高がゼロになり、管理画面の数字と一致しました。
Stripe 口座の残高が合うかどうかが、この修正が正しいかの答え合わせになります。合わないまま先に進むと、どこでずれたのか分からなくなります。
逆方向の移動も同じ考え方です。生活用の口座から事業用口座に運転資金を入れるときは事業主借、事業用口座から生活費を引き出すときは事業主貸。
個人事業主はここが自由で、回数にも金額にも制限がありません。年末に相殺されて元入金に振り替わるので、何度やっても決算書は汚れません。
事業の収入ではなかったもの
事業用の銀行口座に、利息が12円入っていました。freee はこれを受取利息として登録していました。
個人事業主の場合、預金の利息は利子所得です。源泉分離課税といって、受け取った時点で税金が引かれて完結しています。事業所得には含めません。
なので勘定科目は事業主借になります。仕訳でいえば、借方が普通預金12円、貸方が事業主借12円。事業の収入としては1円も立ちません。
12円なので税額への影響はゼロです。それでも直したのは、決算書に受取利息の行が残るからです。個人事業主の損益計算書に受取利息が載っていると、見る人が見れば引っかかります。
利息は毎月または半年ごとに入ってくるので、自動登録ルールを作りました。摘要に「利息」を含む入金は事業主借、税区分は対象外。次からは勝手に処理されます。
ドル建てのサブスクを円に直す
AI ツールのサブスクをいくつか使っていて、ドル建てで請求されるものがあります。領収書には $110.00 とだけ書いてある。では帳簿にはいくらで入れるのか。
いちばん正確なのは、カード会社が実際に請求した円貨です。カードの明細が会計ソフトに同期していれば、その金額がそのまま流れてくるので迷いません。
ただ、カードの同期が止まっていたり、そもそも登録していないカードで払っていたりすると、この方法が使えません。
そのときは支払日の TTM を使います。対顧客電信売買相場の仲値のことで、銀行がその日の午前中に決めて公表しているレートです。外貨建て取引を円に直すときの基準として一般的に使われています。
実際にやってみると、そう外れません。領収書の中に、消費税額を円で書いてくれているものがありました。そこに換算レートも併記されている。手元で TTM と突き合わせたところ、差は0.1%以内でした。50ドルのサブスクなら数円の差です。
計算はこうなります。$50.00 かける TTM 158.20 で7,910円。税込金額としてそのまま登録し、内税を計算させます。備考にドル額と使用したレートを残しておくと、後から検算できます。
ここで1つ引っかかったのが、消費税の区分でした。
海外のサービスでも、日本で消費税の登録をしている事業者なら、請求に消費税が乗ります。領収書に JCT という行が立ち、登録番号が印字されます。その場合は課税仕入れ、10%です。
問題は、これが途中から変わることがある点でした。同じサービスの領収書を古いものから順に並べたら、ある月を境に JCT の行が現れていました。それ以前は消費税が課されていません。
つまり同じサブスクでも、前半は対象外、後半は課対仕入10%で登録する必要があります。全部を同じ税区分にすると、消費税の計算がずれます。領収書を1枚ずつ開いて、JCT の行があるかどうかを確認するしかありませんでした。
決済手数料まわりにも似た罠がありました。Stripe は手数料に消費税を課していて、明細では手数料本体と消費税が別の行に分かれて流れてきます。freee がこの消費税の行を租税公課として登録していました。
租税公課は印紙税や固定資産税に使う科目です。仕入れにかかった消費税を入れる場所ではありません。
金額を検算したら、租税公課として登録されていた額は、どれも同じ日の手数料のちょうど10%でした。支払手数料にまとめて、税区分を課対仕入10%に直しました。
損益の合計は変わりません。ただ、租税公課が数百円だけ立っている決算書は不自然です。
帳簿の外にある経費
自宅で仕事をしているので、電気代の一部は経費になります。家事按分といって、事業で使った割合だけを経費に計上する処理です。
按分の基準は面積か時間です。仕事部屋が独立しているなら面積で、ワンルームなら1日の作業時間で計算します。
freee には家事按分の機能があるので、電気代は全額を水道光熱費で登録しておいて、決算のときに事業利用比率を設定すれば、私用分が自動で事業主貸に振り替わります。毎月按分する必要はありません。
按分率をどう決めたかは、メモに残しました。住居の面積と仕事部屋の面積、その計算式。聞かれたときに答えられるかどうかがすべてなので、数字そのものより根拠のほうが大事です。
同じ考え方が、家賃、インターネット回線、携帯電話代にも使えます。回線は仕事で使う理屈が立てやすいので、電気代より高い按分率でも通ります。水道代とガス代は、仕事で使うと説明しにくいぶん慎重にしたほうがよさそうです。
パソコンも経費に入りますが、10万円を超えると一括では落とせません。固定資産として登録して、耐用年数にわたって減価償却します。
開業前に個人として買ったものを事業に転用した場合も、固定資産台帳に登録できます。ここも事業利用比率を設定できるので、私用と兼用なら実態に合わせます。
前編の損益通算の話につながるところです。開業した年に赤字が出やすいのは、この固定資産とサブスクが効くからでした。
ここまで直して、Stripe 口座はゼロ、現金もゼロ、銀行の登録残高と同期残高が一致しました。数字は合っています。
ただ、合っていることと正しいことは別だと思っています。開業届に書いた日付と、実際に収入が発生していた時期がずれていたこと。青色申告承認申請が間に合っているかどうか。このあたりは帳簿をいくら眺めても答えが出ません。
来年の2月に、これを税務署に持って行きます。そこで何を言われるのかは、まだ分かりません。
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