日常生活の中で、ストレスや疲れ、感情の波が高まることは誰にでもあります。特に、自閉症や感覚過敏などの症状を持つ方や、子供たちにとって、騒がしい場所で感情のコントロールや過剰な刺激に対処することが難しいことがあります。そんなときに役立つのが「カームダウン・クールダウンスペース」です。
この記事では、カームダウン・クールダウンスペースについて詳しく紹介し、その効果についても解説します。
※アイキャッチ画像:中部国際空港セントレア
カームダウン・クールダウンスペースの表示(引用:経産省)
カームダウン・クールダウンスペースとは?
カームダウン・クールダウンスペースは、感情や緊張が高まった時や、人混みや騒がしい場所など非日常的な場所で、感じる不安や緊張を少しでも緩和させることでパニックなどの防止を目的とした、外部からの音や光、視線などが極力遮られた静かで安全な空間です。これは、パーティションで区切られた小屋のような形や、簡易な衝立と、椅子やソファとロールカーテンなどで作られており、利用者が他の人から離れて落ち着ける場所が提供されます。知的障害、精神障害、発達障害、自閉症、認知症、感覚過敏などの症状を持つ方が利用することを想定しており、駅、施設、さらには空港などにも設置されるようになっています。
大きな目的の一つは、人混みや騒がしい環境が苦手な人や、子供がパニックになるのを防ぐことです。静かで落ち着いた雰囲気が提供されることで、心身が安定し、過度な緊張や不安を防ぐことができる状態になります。
引用;羽田空港
カームダウン・クールダウンスペースの効果
カームダウン・クールダウンスペースは、パーティションだけで、特別な設備がない場所であっても、不安の高まりを減少させる効果があります。大切なのは、静かで落ち着いた空間を作り出すことです。以下のような効果が期待できます。
感情の安定: 感情が高ぶった状態から落ち着いた状態へ移行しやすくなります。
過度なストレスや緊張の軽減: 人混みや、多くの他人から受ける非日常の心身の緊張を和らげることができます。
特に、障害があることが分かりにくい感覚過敏や精神障害の方や、敏感な子どもたちがパニックを起こさないようにカームダウン・クールダウン室を利用することは効果的です。静かで安定した環境が提供されることで、リラックスし、パニックを防ぎ、精神の平穏を保つことができます。
引用:川崎市とどろきアリーナ
まとめ
カームダウン・クールダウンスペースは、外部からの音や光、視線などに敏感な人々にとって有益な場所です。特に、知的障害、精神障害、発達障害、自閉症、認知症、感覚過敏などの症状を持つ方には、感情のコントロールや緊張の緩和に役立ちます。また、人混みや騒がしい環境が苦手な人や、子供がパニックになるのを防ぐ目的でも活用されています。
パーティションで区切られた小さな部屋で、静かで落ち着いた雰囲気が提供されるだけで、利用者はリラックスし、心身の安定を取り戻すことができます。家庭や学校、施設、空港など、様々な場所で設置されるようになっているカームダウン・クールダウンスペースは、多くの人々にとって心身の安らぎを与える重要な場所となっています。
今後、公共の施設でこのカームダウン・クールダウンスペースが一般的になり、必要な人々の不安が少しでも取り除ければ、安心して外出できるきっかけになれると思います。