第2弾では、HSPである私が感じた派遣社員のメリット・デメリットについてまとめました👇
今回は、同じ職場の先輩派遣社員さんが妊娠された際のエピソード(前編)について書いていきます。
この先輩は、つわりに苦しみながらも働き方を調整して業務を続け、産休・育休を取得されました。
つらいつわり……安定期を待たずに妊娠報告
先輩は、私より約半年前に派遣開始。同じ派遣会社・同じ転勤妻と共通点が多く、私にとって非常に心強い存在でした。
ある時期、先輩が青白い顔をしてデスクでうずくまっていたり、早退や当日欠勤が続いたりしていて、とても心配していました。
ほどなくして、先輩が妊娠10週だと責任者から部署のメンバーに共有されました。
「妊娠を周囲に伝えるのは安定期に入ってから」と聞いたことはありましたが……
この時の私は自分が妊娠する前で、妊娠10週?安定期っていつから??つわりって気持ち悪いやつだよね???といった具合に、ほとんど知識がありませんでした。
ちなみに妊娠期間は下記のように分類されるそうです。自分が出産した際に、通っていた産院で教えてもらいました。
初期:15週まで(妊娠4か月まで)
生理が止まって妊娠に気づいて以降、一般的に最もつわりに悩まされる時期。
中期:16~27週(妊娠5~7か月)
つわりが収まってきて(個人差あり)、赤ちゃんの胎動を感じ始めたり、おなかのふくらみが目立つようになってきたりする時期。
後期:28週以降(妊娠8~10か月)
おなかがさらに大きくなり他の臓器が圧迫されたり、腰や足の付け根が痛んだりする等のマイナートラブルに悩まされる。また、おなかが張りやすくなる。出産に向け、いよいよ本格的な準備を進めていく時期。
先輩はこの段階では妊娠初期。つわりにひどく悩まされ通常の業務が難しくなり、やむなく妊娠初期段階で責任者に報告したそうです。
重症妊娠悪阻とは
私が通っていた産院によると、「つわり」とは空腹時の吐き気・嘔吐・食欲不振・臭いに敏感になる等の症状が発生するもの。
ただし、症状そのもの・程度・時期等個人差が極めて大きいのだそうです。
中でも、つわり症状が増悪し,頻回な嘔吐により脱水・飢餓状態となり、全身に様々な症状が現れることを「妊娠悪阻(おそ)」と呼ぶそうです。
そして、「重症妊娠悪阻」は下記の複合的な観点から診断されるといいます。
- 著しい体重減少(妊娠前から5%以上)
- 皮膚や口腔内が異常に乾燥する
- 尿検査・血液検査の結果 等
日本産科婦人科学会「日本産科婦人科学会誌」,65巻10号,2013年10月,N-244(データ上p.1)日本産科婦人科学会雑誌第65巻第10号
先輩は「妊娠悪阻」と病院で診断された訳ではなかったそうですが、
何を食べても吐いてしまった時には、一度だけ外来で点滴を打ってもらったそうです💦
つわりのため、毎日テレワークへ
先輩の場合、つわり症状がひどかったのが妊娠7~14週頃で、特に食べづわり・においづわりに苦労したそうです。
食べづわりとは、空腹の状態だと吐き気を催すため、常に何かを口にしていないと気持ち悪い!!という状態。会社で仕事をしながら、何かを食べ続けるというのは難しいものです。
そして電車通勤だった先輩は、人込みのにおいに敏感になり電車内で何度も吐きそうになったそうです。派遣契約上、車での通勤は認められなかったため、毎日在宅ワークをされることになりました。
私たちの派遣先では、平日5日間のうち2日程度、各自在宅ワークをしていました。ただ、出社しないとできない業務もあったため、シフトを組んで在宅ワークをしていました。
そのため、先輩が出社できないために滞る業務は、部署内でカバーしていかなければなりません。
ただ、この時期が運悪く本決算の時期と重なっていました……💦
私たちが就業していた経理職といえば、月末から翌月初にかけてが忙しいですが、本決算はさらに忙しくなります。
通常月の月間残業時間は平均15時間程度でしたが、本決算時期は先輩のサポートもあり約25時間……正直へとへとでした。
これってマタニティ・ハラスメント!?
先輩がつわりに苦しんでテレワークをしていたある日のこと、ある社員の愚痴を聞くことに。
「派遣のくせに毎日テレワークしてずるい!」
「あんなに休んでるのにどうして派遣の契約解除にならないの?」
「つわりって一体いつまで続くのよ!?」
……ちょっと待ってよ!!!!!
社員と同等の業務を求められているのに、派遣の『くせに』ってひどいよ!?
契約解除なんて会社同士のことなのに、なぜ同じ派遣の私に言う!?
つわりがいつ終わるかなんて本人が一番知りたいよ!?
と、心の中はパニック状態でした。
これらの発言は当然不適切ですが、結局はこのような発言が出るに至った職場環境が問題だなとも思いました。
- 先輩が今どんな状況にあるのか
- 先輩の派遣契約継続に関する意向
- 完全テレワークという特別措置をとるに至った経緯
- それに伴い増える負担の割り振り
責任者からは、先輩は妊娠中であるという共有だけで、上記のような説明は特にありませんでした。
私自身は先輩本人からどんな状況にあるか聞いていましたが……
全く知らない人や妊娠についての知識がない人からすれば、不公平に感じるのも無理はないでしょう。
そのため、この発言は当該社員だけなく、部署全体が産んだマタニティ・ハラスメントだなと感じました。
マタニティ・ハラスメント発言については、先輩の耳に届いていたかどうかはわかりませんが……
私個人としては「やっぱり派遣社員は下に見られているんだな」とすっかり派遣先への信頼を失う一件になりました。
次回、先輩の事例(後編)に続きます!