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【障害者雇用】働きやすい会社を探す方法(もにす認定制度)

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障害者の法定雇用率が、2024年度(2024年4月~)に2.3%から2.5%へ、2025年度には2.7%にと段階的に引き上げられます。

障害を持つ人にとっては、働く場が増えるとありがたい反面、障害に配慮した働き方が可能か、賃金面は、将来への展望は…?なども気になるところです。

障害の種類や程度は人によって様々ですので、全ての人にとって働きやすい会社というのはありません。

しかし、ひとつの指標となる、厚生労働省が設けている認定制度がありますので、それをご紹介していきます。

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障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)

もにすマーク

画像引用:厚生労働省サイト

制度の趣旨は、以下です。

障害者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取組の実施状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度です。
認定制度により、障害者雇用の取組に対するインセンティブを付与することに加え、既に認定を受けた事業主の取組状況を、地域における障害者雇用のロールモデルとして公表し、他社においても参考とできるようにすることなどを通じ、中小事業主全体で障害者雇用の取組が進展することが期待されます。 (厚生労働省サイトより引用)

この「障害者雇用優良中小事業主認定マーク」の愛称「もにす」とは、「共に進む(ともにすすむ)という言葉と、企業と障害者が共に明るい未来や社会に進んでいくことを期待して」名付けられたそうです。

企業が認定事業主となるメリット4つ

1. 自社の商品・サービス・広告等や、ハローワーク求人票にマークを表示できる。

2. 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークによる周知広報の対象となる。

3. 日本政策金融公庫の低利融資対象となる。

4. 公共調達などの加点評価を受けられる場合がある。

企業へのメリットがあると同時に、認定事業主として世間に公言することになるため、障害者雇用についての対応がきちんとしていると少しは期待ができそうです。

認定されるための基準項目

1. 定められた評価基準に基づいた点数があること

2. 法定雇用率を達成していること。雇用義務がない場合でも、雇用率制度の対象となる障害者を1名以上雇用していること。

3. 過去に認定を取り消された場合、取り消しの日から起算して3年以上経過していること。

4. 障害者雇用促進法と同法に基づく命令その他の関係法令に違反する重大な事実がないこと

基準項目は多岐に渡り、どの会社でも簡単に認定を取得できるわけではありません。簡単に取得できないかわりに、労働者側が企業を見極める指標となるでしょう。

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もにす認定事業主は、どれぐらいあるのか

令和5年12月28日時点では、372事業所です。以下のリンクに、認定事業主の一覧が公開されています。

厚生労働省サイト「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)認定事業主」

各事業所名をクリックすると、企業で取り組んでいる内容詳細を閲覧できます。

また、ページの下のほうに、一覧表のExcelがダウンロードできるようになっています。
ダウンロードしたExcelを開き、都道府県でソートをかけますと、自分が居住する都道府県で認定されている事業所を知ることができます。

制度が出来てからまだ3年ほどですので数は少ないですが、認定を受けるために社内制度を整備するという作業を通して、障害者雇用に必要なことを整えていく企業が増えていくことを期待したいところです。

「もにす認定制度」を取得した会社の求人を探す

それでは、ハローワークインターネットサービスで、認定事業主の求人を探してみましょう。

ハローワークインターネットサービスの求人情報検索画面を開きます。

「求人区分」で「障害のある方のための求人」を選択します。フルタイム、パートの区別は選択せずにまずは全体を見てみましょう。
障害者専用求人を絞り込むことができます。

ハローワークインターネットサービス求人検索画面1

 

「フリーワード」に「もにす」と入力し、右下の緑色の「検索」を押します。

ハローワークインターネットサービス求人検索画面2

 

対象求人が絞り込まれます。各求人の右下にある「求人票」ボタンを押します。

ハローワークインターネットサービス求人検索画面3

 

求人票の詳細が閲覧できます。求人票の左上には「もにす認定マーク」が表示されているのが分かります。

ハローワーク求人票

 

活用の仕方

障害者求人で「もにす認定マーク」が付いた求人は、現在はわずかしかありません。
何の役にも立たないのではないか…と思われますでしょうか。いえ、そうではありません。以下のような活用の方法が可能です。

障害者求人の数が増える時期を狙う

欠員が生じた時などの不定期以外に、障害者求人が出やすい時期があります。年度末の時期もそうですが、年に1~2回行われる、大規模な障害者就職面接会です。

「障害者雇用支援月間」の9月や、年度末に近い2~3月頃には、就職面接会用の障害者求人が多く出されます。

一般求人からチャンスを探す

障害者専用求人ではなく、「求人区分」で「一般求人」を選択します。フリーワードには先ほどと同じように「もにす」と入力してから検索します。

障害者専用求人ではありませんが、自分の障害がそれほどバリアにならないような仕事内容のものもあります。

障害をクローズにして応募するということではなく、「このような障害を持っているが、この仕事内容ですと問題なく遂行できます」と説明のうえ応募してみましょう。ハローワークの相談窓口で職員に希望を伝え交渉してもらえば大丈夫です。

もにす認定を取得している会社ですから、最初から「障害者はダメ」という門前払いではなく、面接などで個別の適性を見て判断してくれる可能性が高いです(必ず採用されるということではありません)。

もにす認定にこだわるな

認定を取得していなくても、障害者雇用に理解がある会社はたくさんあります。

この認定制度は、きちんと認定基準を満たしているか厳密な審査が行われるため提出書類や確認事項も多く手間がかかり、認定取得のための申請まで手が回らない会社も多いと思われます。

自分(障害者)が働きやすい労働環境か、企業へ質問するためのヒントとなる

「もにす認定制度」の認定基準となる項目には、障害者雇用における職場整備のためのヒントがたくさん詰まっています。

つまり、「もにす認定」を取得しているか否かに関わらず、普段の採用面接の場で、障害者(応募者)側が企業に労働環境を質問するときに使えるようなものも多くあります。

厚生労働省サイトの該当ページをご覧ください。

ページ上部のほうに各種資料のリンクがありますが、「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度業務取扱要領」を開いてみてください。非常に詳細な認定基準が設けられていることが分かります。

その中で私が個人的に注目したのは、以下のような項目です。
・障害者の活躍推進に当たっての障害当事者の参画
・支援担当者の配置
・適切な方法により個々の障害特性に配慮した職務をマッチング
・障害者一人一人のキャリアプラン(支援計画)の作成
・人事・給与制度の明確化

例えば、「障害者が活躍できるように、当事者の声を聞いて頂ける機会があるのでしょうか?」と聞いてみたり、社内でのキャリアアップをしたいと考えている人なら「障害者の昇進制度はどのようになっていますか?」と聞いてもいいですね。

障害者だからと賃金が低く抑えられていないか気になる人なら「障害者の給与制度はどのような形になっていますか?」と質問して、企業側の反応を見てみましょう。

何でもかんでも質問すると、面倒臭い人だと思われて逆効果になることがありますので(本当は企業側も真摯に答えてくれるべきだとは思いますが)、どうしても自分が大切にしたい項目だけ質問してみてはどうでしょうか。

応募側が質問数を絞って丁寧に尋ねているにもかかわらず、横柄な態度をとる企業は、採用後も何かと問題が生じる可能性があるため辞退するのが無難でしょう。

さいごに

繰り返しになりますが、障害の種類や程度は人によって様々ですので、「もにす認定」マークを取得していても全ての人にとって働きやすい会社という意味ではありません。完璧な対応ができるという意味でもありません。個別の事案にはその都度対応していくことが必要だからです。

障害者雇用の安定のために各種取り組みを行い制度化したり実績があるということで認定されていますので、障害者からの要望を理解してもらいやすいというメリットがあると考えています。
その会社にとって前例がない事柄が生じても、少なくとも話し合いながら進めてもらうことが期待できるのではないでしょうか。

また、「もにす認定」マークを取得している会社は、子育て中や介護中の人など全ての人にとっても働きやすい労働環境になっているのではないかと推測されます。

皆さんの就職先選びに、少しでも参考になれば幸いです。

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