スポンサーリンク

【作業所のリアル⑤】利用料を支払いながら働くってよ?

悩む猫 生きづらさを抱えて
この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク
当ページはプロモーションが含まれています

こんにちは!くるみです。

一般就労と、作業所での就労。どちらも経験した私が「作業所」(就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所)の知られざる世界を皆さまにお伝えしていきます。

以前に、作業所で得られる工賃(賃金)についてお話しましたが

今回は「働くのに、利用料を払うって、どういうこと?」について書いてみたいと思います。

※辛口な意見も書きますが、各々の作業環境や障害によっても異なりますので、あくまでも私の経験した範囲での事とご承知おきください。

スポンサーリンク

作業所は「福祉サービス」である

まず、大前提として、作業所(就労継続支援事業所)での就労とは「福祉的就労」です。福祉施設を利用するということなのです。

もっと分かりやすく言いますと、高齢者や障害者のデイサービスに通うとき、「福祉のサービス(介護、入浴、食事など)を受ける」わけですので利用者は所得に応じた利用料を支払う必要がありますよね。

作業所もそれと同じで、「就労支援」という福祉サービスを受けることになるため利用料の負担が生じます。 そして作業をする事で生み出した利益は、利用者に還元する、それが工賃(賃金)となります。

スポンサーリンク

利用料って、どれぐらい?

お金と電卓

就労継続支援等の障害福祉サービスは、世帯収入によって利用料の負担が生じます。

利用料は、サービスにかかった費用の9割を国や都道府県、市町村が負担していて、残りの1割をサービス利用者が負担する仕組みです。

ただ、所得に応じた負担上限月額がありますので、その月のサービス利用回数に関わらず、上限額以上を負担する必要はありません。

また、利用料の金額は、いくつかの区分に分かれていて、前年の世帯収入によって判断されます。

「世帯収入」というのは、所得を判断する世帯の範囲は18歳以上の場合には、障害者本人と配偶者です。そのため、家族と同居していても、親や兄弟姉妹等の収入は対象になりません。

区分 世帯の収入 自己負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯(注1) 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く(注3) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円
(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。 (注2)収入が概ね670万円以下の世帯が対象になります。 (注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。

自己負担上限額が37,200円になる「一般2」は、年収が概ね600万円以上の世帯です。

また、住民税は前年の収入をもとに計算されますので、現在は働いていなくても前年に収入があった場合には、利用料が発生する場合があることも忘れてはなりません。

利用者本人に収入がなくても、配偶者の収入によっては利用料がかかることもあります。 大体の人は「生活保護」「低所得」「一般1」というのが割合的には多いようです。

利用する前に、相談支援専門員や、障害福祉担当の行政窓口で確認しておきましょう。

工賃ー利用料=赤字?!

驚く茶トラ子猫

ここまで読み進めていて、ん?と何かが引っ掛かった人も居るかもしれません。

利用料を上回る工賃がもらえるのかどうか。それが気になる人も多いと思います。

そう、先日、私が書いた『【作業所のリアル③】気になる工賃(賃金)の話』の記事ではB型事業所で最初の頃は時給100円だったと記していましたが、その頃は月額工賃が5,000円とかその程度でした(作業所への通所日数が週2~3日程度と少なかったのもありますが)。

そして前職(正社員)を退職してから一年未満でしたので、前年の所得がありということで、作業所の利用料として月額9,300円を支払っていました。

つまりお金を稼ぐどころか、4,300円の赤字…。

それも最初に説明を受けて納得したうえで通所していましたので(スキル習得の為と思って)、特に作業所を責めるつもりはありません。

何度も念押しで聞かれましたから(笑)。「本当にいいのですか?」って。

珍しいヤツだと思われたのかもしれません。

半年ほど経って、一人前に仕事ができるようになって(少し工賃UP)、前年の所得も低収入(作業所の工賃だけだから)との判断が更新されてからは、赤字決算は無くなりましたけどねー。

でも、あまり稼げるような場ではありませんでした。 このような逆転現象が起きる場合もあるということは、知っておくといいでしょう。

利用料を払わない選択肢がある?

書類に埋もれる人 就労継続支援A型事業所に限定された措置ですが、サービス事業者は、利用者と雇用契約を締結している場合、自治体の長に事前に届け出たうえで、利用者が負担する利用料を減免できるというものがあります。 この措置の意図は、

  1. 事業者と障害者の間で雇用関係が結ばれており、事業者から労働の対価として、賃金が支払われる特別な関係にあること。
  2. 障害者福祉制度とは別に、障害者雇用納付金制度において、障害者雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に対し、障害者雇用調整金等が支給されていること等を考慮する必要があること。

以上の理由から、事業者の判断により事業者の負担をもって利用料を減免することを可能としているとのことです。

上記の項目2は、福祉分野から費用補助を受けているのに、労働分野からも補助金が出ており恩恵を受けているのだから、利用者へそれを少しでも還元しなさい的なことなのかな?

あくまでも私は利用者目線でしかないので、事業所目線で補足などありましたら、ご意見、大歓迎です!

A型作業所で働いたはいいけど、同時に利用料を払わないといけないと実質手取りが減るし、モチベーションが下がるわぁ…。という人にとってはありがたい措置ですよね。

ただ、これも全てのA型作業所が取り入れている措置ではありませんので(あくまでも事業所の自主的な申し出に基づく)、こういった措置を取り入れている作業所に絞って探してみるというのも一つの方法かもしれません。

でも費用の事ばかりに捉われるのではなく、肝心の作業内容や職場環境もしっかり見極める事が必要なのは言うまでもありません。

ちなみにB型作業所には、このような措置はありません。残念!

まとめ

作業所を選ぶときは、入った当初の条件(利用料や工賃)だけでなく、慣れて一人前の作業ができるようになった時にどれくらいの工賃が得られるのか、利用料との逆転現象がいつまで生じるのか、など長期的な視点でも考えておきましょう。

不明点は、作業所へ見学に行った時に質問すれば答えてもらえるでしょうし、曖昧にされるような作業所であれば、避けておくほうが無難かもしれません。

タイトルとURLをコピーしました