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【作業所のリアル③】気になる工賃(賃金)の話

money 生きづらさを抱えて
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こんにちは!くるみです。

一般就労と、作業所での就労。どちらも経験した私が「作業所」(就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所)の世界を皆さまにお伝えしていきます。

作業所への通所を検討しているけど迷っている、障害のあるかたに。障害者じゃないけど作業所ってどんなところなのか気になるぅ~。そんなかた達に少しでも役立つと嬉しいな。

今回は、誰もが気になる「お金の話」についてですよ。

※辛口な意見も書きますが、各々の作業環境や障害によっても異なりますので、あくまでも私の経験した範囲での事とご承知おきください。

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どれくらいの収入が得られるのか(就労継続支援A型事業所)

以前の記事でも書きましたが、就労継続支援A型事業所の場合は「雇用」という形態の為、支給される対価は「工賃」ではなく「賃金」と呼ばれます。一般就労で得る賃金と同一概念です。

都道府県ごとに定められた最低賃金額が適用され、2022年10月時点、全国平均で時給961円です。

但し「最低賃金の減額の特例許可制度」というものがあり、都道府県労働局長の許可を得れば、最低賃金額よりも下回る額で雇用する事が認められていますので、全てのA型作業所で必ず最低賃金額が支払われているとは限りません。気になる場合は、通所契約する前に各自、確認しましょう。

一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、特定の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています。

(厚生労働省HPより)

ちなみに2021年度のA型事業所の平均時給額は926円でした(厚生労働省発表)。2021年10月改定の最低賃金(全国平均)額が930円でしたから、まあまあ最低賃金額を出しているところが多い印象ですね。

労働時間数は、作業所によって、そして各利用者の状況に応じて異なりますが、週20時間以上を条件としているところが多いようです。

この週20時間というのは、雇用保険に加入できる最低ラインであり、利用者が通所(=就労)することで作業所が国から「特定求職者雇用開発助成金」という助成金を受け取れる(=運営費用の足しになる)労働時間の最低ラインでもあることが大きな理由でしょう。

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どれくらいの収入が得られるのか(就労継続支援B型事業所)

パソコンの画面

一方、B型事業所は最低賃金額が適用されません。「雇用」ではなく「業務委託」です。

支給されるのは「賃金」ではなく「工賃」と呼ばれます。内職などのように、作業内容によって報酬額が変わる、いわゆる歩合制のようなイメージです(厳密に言うと歩合制とも違いますが)。

利用者が作業を行い得られた利益を利用者に分配しています。2021年度のB型事業所の平均工賃額は233円でした(厚生労働省発表)。

工賃額は作業所によって、作業内容によって、そして利用者によって、まさに様々です。
利益率の高い作業を提供し、努力と工夫で高い工賃を実現している作業所もありますが、A型事業所並みの工賃を出しているところはほとんど無いのではないでしょうか。

B型事業所の甘え

B型事業所は、最低賃金額を支給しなくてよいため、利益が上がらない作業を漫然と続けているという事業所もあります。

ほとんど利益が出ない作業を、「以前からずっと引き継いできた作業だから」と続けていたり。

普段なら職員が一気に30枚まとめて機械でカットしている紙を(時間にして1分で終わる)、わざわざ利用者に一枚一枚、カッターで切らせて(2時間かかる)、時間つぶしをさせている。

これは、本来のあるべき姿なのでしょうか?

「障害があると、これぐらいのことしか出来ないだろうから」との思い込みと諦めによって、新たな仕事への開拓や工夫を怠るということは本当はあってほしくないと思う私は、おかしいのでしょうか。

少なくとも、利益を上げるために何をするべきかという経営的視点が欠けている事業所が多いような気がします。

歩合制のB型事業所は、頑張れば工賃がUPするのか

走るシーズー

私が通所の契約前に受けた説明では、能力などに応じた「能力給」と言われていました。そして通い始めの頃はまだ何も戦力になれるスキルが有りませんから、「時給100円ですよ?いいのですか?」と言われても「はい!大丈夫です。最初はスキル習得のための訓練みたいなものだと思っているので、いいのです。」と答えて、割り切っていました。

(厳密に言うと100円どころか、実際には自己負担をして赤字で通所していたのですが、それはまたの機会にご説明します)

そして数ヶ月が経過し、先輩利用者と同じ作業ができるようになり、時給は200円くらいになっていました。そして歩合制なんだから、やればやるほど、そこに工賃がプラスされるんだと思っていました。

なので、一つの作業が終われば「できました!次、ありますか?」とテンポ良く数多く作業していた。でも、やってもやっても、歩合制のようなプラスアルファはありませんでした。

あれ?と思いましたが、よく考えれば「歩合制」とは言われていなかったのですよね。「能力給」なので、って言っていたので、どれだけたくさん作業したとしても「今年度のあなたの能力給は時給200円なので、いくら根を詰めて作業しても、ゆったり作業しても200円ですよ」と、そういうことみたいでした。私の作業所。

どおりで、先輩利用者たち、それほど、どんどんテンポ良く作業せず、のんびり作業していたぞ。

これって、どうよ。モチベ下がらない?

工賃の差は有ってもよいのか?

綱引きをする猫たち

また、これは、どう思われますか?

同じB型作業所内で、同じ作業をしているCさんとDさん。2人の障害はそれぞれ違い、当然のことながら作業遂行速度や能力も違います。
それぞれへの工賃は、どのように決定しますか?

① 遂行した作業量やクオリティによって、工賃に差を付ける
② 遂行した作業量やクオリティの差があっても、同じくらいの工賃を支給

大抵は①を選択する事業所が多いのだろうと思います。ただ、②を選択する事業所があることも事実です。「平等」などの言葉を使って、よくわからない理屈で収めてしまおうということもあるでしょう。
どちらが良い、悪いは一概に言えず、ただ、その作業所の方針によるところとなります。

その方針に、自分が納得できるかどうか。利用者のほうは、それをきちんと考えて事業所を選ぶ必要があるということです。

そうしないと、「自分はこれだけ頑張っているのに、なぜ(あまり頑張っていない)あの人と同じ工賃なの?」という不満につながります。
もちろん事業所側は、そういった不満に対してきちんと説明できることが求められます。

ただ、忘れてならないのは、B型事業所の場合、単に「工賃を稼ぐ」ことだけを目標に置いているわけではありません。

規則正しい生活リズムを作るため、社会性を身に付けるため、日中の居場所づくりのため、デイサービス的な楽しみを求めるため、など利用者側のニーズも多様です。
つまり、その作業所がどのような方針(工賃額重視か、居場所づくりの緩さ重視か)に重点を置いているかで工賃額も変わってくるように思います。

作業所で得られるのは、お金だけじゃない。

分かっている。色んな人との関わりとか、楽しい部分もいっぱいあるのですよ。

でも、お金もそこそこ大切にしたいと思う派です。私は。

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