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映画『大きな家』 児童養護施設の子どもが見せる輝きから想起させられる社会の未来

生きづらさを抱えて
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とある児童養護施設に住む子どもたちの何気ない日常を、穏やかな情景の中で描いた映画『大きな家』が公開されます。

俳優、映画監督として活躍する斎藤工が偶然一つのきっかけで児童養護施設を訪れたことから、強く惹かれる印象をおぼえたのを機に映画製作に至ったというこの作品。

ドキュメンタリーという側面を持ちながらも、美しく印象的な子どもたちの未来を想像させる映像で、「子どもたちの未来」をさまざまな側面から考えさせられる物語です。

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映画『大きな家』とは

作品概要

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児童養護施設における子どもたちの日常に密着し印象的な映像で活写したドキュメンタリー。

企画・プロデュースを齊藤工が担当、『14歳の栞』『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』の竹林亮監督が作品を手掛けました。主題歌はアコースティックデュオグループのハンバート ハンバートが担当しています。

公開年:2024年(日本映画)
プロデュース・企画:斎藤工
監督:竹林亮
配給:パルコ

あらすじ

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東京のとある児童養護施設。ここでは死別・病気・虐待・経済的問題などさまざまな事情を抱え暮らす子どもたちが、「他人」である他の子どもや職員と日々を過ごしています。

「大きな家」に存在する、微妙な関係にある人々の中で暮らす彼ら。

両親への思いとともに、施設職員、他の子どもたちや学校の友だちとの関係、施設を出たあとの暮らしなど、さまざまな葛藤や不安を抱えながらも、子どもたちはたくましく成長していくのでした。

子どもの誰もが「こうであると願いたい」姿

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本作で印象的なのが、施設にいる子どもたちの輝くような姿。

施設によって、またそこに集う子どもたちの事情によってさまざまな事情はあるように思えるのですが、この映像で見られる子どもたちの姿は、総じて生き生きとした表情を見せています

この情景は、さまざまな事情を抱えているという点で考えると逆に違和感をおぼえるかもしれませんが、同時に施設の子どもたちとそうでない子との差はなく「普通の子どもである」という当然の考えが印象的に見えてきます。

彼らはもちろん、普段は苦労や不安な気持ちをたたえた表情を見せる時もあるでしょう。

そう考えると、この映像の印象的な光景から見えてくる姿は「どんな立場であれ子どもは生き生きした人生を送ることができる」ということを示し、さらにそうあるべきという、目指すべきポジティブな指針を提示しているようでもあります。

たくましく生きていく子どもたちを支える社会へ

また本作は、施設に住む子どもたちを年少から年長へ、一人ずつ紹介する形で物語が展開していきます。

インタビューに答える彼らは、聞き手のほうに全く顔を合わせずごく自然なふるまいの中で自身の思いを明かしていきます。

未だ「サンタクロースは本当にいる」と信じていそうな純真な子どもから、年を経るごとに自身の境遇を受け止め、悩みながらも自分なりに理解しようとする子どもへ。

その自身が抱えた境遇に関する悩みを語る時に見せた彼らの表情は、少し寂しそうでありながら、その運命を振り切るような強さを感じさせます。

そしてその姿は、彼らから大切なことを教授してもらっているような感覚にもなっていきます。

残念ながら冒頭で児童養護施設の職員が語るように、施設を出た子どもたちがその後まっとうに生き抜く確率は、かなり低いという現実があります。

それでもこの映画で見せる子どもたちの前向きな姿勢は、たとえ彼らがその後どんな道を進むこととなっても持っていくべきものであり、現代の子どもたちの成長に対して社会はどう向き合っていくか、社会、そして当人である子どもたちに対しての重要なメッセージを送る作品であるといえるでしょう。

映画『大きな家』は2024年12月6日(金)より全国公開

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