発達障害と診断された時、障害福祉支援を受けるために勧められる「療育手帳」
療育手帳とは、どんなものなのですか?
知的障害とグレーの子3人を育てながら障害者支援員として働くママが、療育手帳を実際に取得してみて良かったこと、おすすめの理由と、デメリットについてお話します。
(アイキャッチ画像出典元:https://ameblo.jp/chokotaro918)
療育手帳で受けられるメリット
交通費減額
障害の等級によりますが、電車賃が半額、もしくは無料、同伴者も無料になる場合もあります。
駐車料金の免除、駐車場所の優遇、有料道路の減額、免除が受けられる場合もあります。
障害があるとなかなか出かけることが、大変ですが、費用の補助があると出かけやすくなります。
施設利用料減額
美術館、博物館、映画館、テーマパークが割引になります。
子供のうちに色々な刺激を受けて、体験から学ぶ場が優遇されるのは、障害児支援として有り難いことです。
ディズニーランドでは、列に並ばずに、他で待機して戻るとアトラクションを利用できるディスアビリティアクセスサービスがあります。
施設によって、独自のサービスが用意されていることも多いので、手帳を持っていて助かることもたくさんあります。
障害児特別給付金を受給できる
重度障害の場合、特別児童扶養手当と障害児福祉手当が受けられます。
特別児童扶養手当
1級 | 52,400円/月 |
2級 | 34,900円/月 |
※令和4年4月より適用。手当の月額は物価変動などにより、今後改定されることがあります。
障害児福祉手当
20歳未満で身体または精神に重度の障害があるため、日常生活において常時介護を必要とする状態で、手当の判定基準に該当する方。
おおむね身体障害者手帳1級、および2級の一部 |
おおむね愛の手帳1度、および2度の一部 |
14,850円/月
※令和4年4月より適用
子どもの介護で仕事に出れない場合も多いので、手帳があることで、手当が支給され金銭的にも助かります。
特別支援学校に入学できる
小中高と特別支援学校に入学するためには、療育手帳が、必須条件となります。
特に、中学まで普通級にいても、高校受験が難しいグレーゾーンの発達障害の場合、普通高校へ進学するより、職業訓練コースがある特別支援学校高等部に入った方が支援が手厚くなります。
特別支援学校では、学力よりも、仕事に必要な体力、礼儀を主にして、実践的な実習の授業を多く取り入れてくれています。
就職の際は、障害者枠でも検討できますし、一般枠で勤め、手帳を持っていることを公表せずにいることもできます。
障害者手帳を持っていても、言いたくなければ言わなくてもいいのです。
療育手帳を取得するデメリット
18歳未満の場合、療育手帳は更新する必要がある
療育手帳を取得するには、18歳未満の場合、市町村の役場で申請後、知能検査、医師の診察のために、児童相談所に2回行く必要があります。
曜日などの指定があったり、予約が立て込んでいると、検査を受けに行く時間をとるのが大変な場合があります。
また、厚生労働省の通達では、療育手帳は原則として2年ごとに更新手続きを行うとされています。
実際には自治体によって更新頻度は違いますが、療育手帳は一度取得したら終わりではなく、更新の度に児童相談所に2回通うことがデメリットになるかもれしません。
障害者手帳を持つことに抵抗がある
療育手帳を取得することによって、「自分の子供に知的障害がある」と抵抗感をもつ方もいらっしゃるでしょう。
手帳をもっていることを公表したくない場合は、周りに言わなければわかりません。
支援が必要な時だけ提示すればいいので、取得しても、初めの抵抗感ほど、デメリットにはならないはずです。
知的障害が認められないグレーゾーンは療育手帳が発行されない
療育手帳は、一般的にIQ70未満の場合に認定されます。
グレーゾーンの場合、その日の体調によって、知能テストの検査結果がIQ70以上になると、療育手帳は発行されません。
うちの次男は、ASD、ADHDがあり、小学校も特別支援学級に通うことになっていました。
就学前に療育手帳を取得したいと思い、6歳の時に児童相談所に、知能テストを受けに行きました。
「テストやだー!!!」と不機嫌な息子に、
「終わったらおばあちゃんの家に行っていいよ」と伝えると
おばあちゃん大好きっ子の息子は、驚異的な集中力を発揮し、数カ月前の WISC-Ⅲでは、IQ56だったのに、当日の田中・ビネー知能検査では、IQ80となり、療育手帳は発行されませんでした。
子どもなので、その日の調子によって検査結果が変わります。
療育手帳が発行されない場合でも、ASD、ADHDで生活に困りごとがあれば、精神の手帳を取得できることもあります。
まとめ
療育手帳を取得するメリット・デメリットについてお伝えしました。
実際に取得してみると、様々なサービスが受けられるので、行動の幅が広がりました。
療育手帳の存在を知らなかったので、もっと早くに障害のことも手帳のことも知っていたら良かったなぁ
申請から認定、発行まで数カ月時間がかかることがデメリットですが、様々なサービスを利用して、子どもの活動範囲を広げ、体験から学ぶ機会を増やすことで、子どもの自立に一歩近づきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。