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意外と知らない有機JAS

有機JASとは SDGs
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1. はじめに
皆さんは「有機JAS」についてご存じでしょうか? 有機JASとは日本の有機栽培の基準のことで、この基準に合格している食品には緑色の葉っぱの形が入ったマークがつけられています。
「聞いたことはあるけれど、具体的にどんな内容なのかは分からない」
こういった方も多くおられるかなと思いますので、今回は有機JASについて
・どんな基準なのか
・どの食品につけられるのか
といったことを解説していこうと思います。

 

有機JASとは
2. 有機JASの特徴
2-1. 化学農薬が使われていない
皆さんが「有機食品」と聞いたときに真っ先に思いつくメリットがこの「農薬が使われていない」ということではないでしょうか?
・農薬を取りすぎると後になって体に影響があるかもしれない
・子どもにはあまり農薬入りの食品を与えたくない
こういった方には最適な特徴と言えます。
ただ一点誤解されやすいのが「すべての農薬が使われていないわけではない」ということです。
農薬は大きく2種類に分けられます。
・化学的に合成された「化学農薬」
・自然素材で作られた「自然農薬」
この2つです。
有機JASで使用が禁止されているのは「化学農薬」のほうです。昔の蚊取り線香に使われていた除虫菊の殺虫剤や家庭菜園で使われることがある生石灰、食酢などの「自然農薬」は使っても良いことになっています。こう聞くと
「無農薬じゃないんだったら、安全とは言えないのでは?」
と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、先ほど例に挙げた除虫菊や生石灰、食酢などは人類の農耕の歴史の中で長い間にわたって使われてきたものです。近代になって作られた「化学農薬」と比べれば安全性は高いと言えるでしょう。


2-2. 化学肥料が使われていない
植物の成長を促す肥料も大きく2種類に分けられます。
・化学肥料
・有機肥料
です。有機JASではこのうち「化学肥料」の使用は認められていません。
「農薬はともかく、肥料は別に何でもいいんじゃない?」
こう思った方がいるかもしれませんね。ですが、化学肥料が使われると
・土壌の地力が弱くなる
・作物にえぐみが含まれてしまう
といったデメリットが出てきます。
有機肥料が土の中の微生物の活動を活発にして作物が育つのに必要な栄養を生み出すのに対し、化学肥料は栄養そのものを直接土に投下します。手っ取り早く栄養を補給できるのが良い点ではあるのですが、この方法だと頻繁に化学肥料をまいて栄養を補給し続けなければならず、まくのを止めるととたんに土の中の栄養がなくなってしまいます。土壌が劣化し、環境に悪影響を与えてしまうんですね。
また、化学肥料が作物に取り込まれるときには「硝酸態窒素」という形になります。この硝酸態窒素が多量にあるとえぐみが出てしまい、食べた時に「苦いな」と感じやすくなってしまいます。
このように化学肥料にも環境への影響や味の劣化といったデメリットがあるため、化学肥料を使わないで育てられる有機JASの作物はこういったデメリットが含まれないという良い点がありますね。

りんごを食べるこども


2-3. 遺伝子組み換え食品は入っていない
「遺伝子組み換え」という言葉を聞いたことがありますでしょうか? 納豆や豆腐の原材料の欄を見ると大豆に「遺伝子組み換えでない」といった表記がされていることがあります。
遺伝子組み換えは品種改良の一種で、他の植物の遺伝子の一部を持ってきて組み込むことで植物の性質を変化させる方法のことです。例えばある害虫に食べられてしまって困る植物があったとき、その害虫に強い植物から遺伝子を切り取って貼り付けることで、貼り付けた植物も害虫に食べられなくなります。
遺伝子組み換えは効率的に品種改良を行える方法ではありますが、予想外の変質が起こってしまうリスクも併せ持っています。

2-4. 加工食品や畜産物にもつけられる
有機JASというと野菜に関する制度というイメージがありますが、実は野菜以外にも基準が設けられています。
例えば加工食品では「原材料の95%以上が有機農産物」という基準があり、これを満たしていれば「有機加工食品」として販売することができます。また牛や豚、鶏といった畜産にも有機JAS制度があり、
・飼料として有機農産物をメインに与える
・野外への放牧など、ストレスを与えずに飼育する
・抗生物質をむやみに使わない
といった基準が設けられています。
有機加工食品や有機畜産物は有機野菜と比べると見かけることは少ないですが、イオンなどのスーパーやらでぃっしゅぼーやのような野菜宅配サービスで購入することが可能です。

自然の風景


3. SDGsとの関係
有機JASによって認証されている有機食品はSDGsとも深く関わっています。SDGsとは「持続可能な開発目標」のことで、世界の問題を解決していこうという目的のもと国連で採択されました。多くの目標がありますが、有機JAS関連では
・陸の豊かさも守ろう
が一番深く関わっています。化学農薬によって虫が殺されすぎて生態系がおかしくなってしまうことの防止、化学肥料による土壌劣化の予防といった面で有機JAS制度を利用した農業や畜産業はSDGsに貢献しているんですね。

 

薔薇のケーキ
4. まとめ
今回は有機JAS制度の概要について解説しました。
有機JAS制度には
・化学農薬が使われていない
・化学肥料が使われていない
・遺伝子組み換え食品は入っていない
・加工食品や畜産物にもつけられる
こういった特徴があります。
有機JASマークが入った食品を選ぶことで人体の健康や地球環境に配慮していくことができるので、ぜひお店やネット通販で積極的に探してみてください。

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