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私の人生を支えたメロディ その5:AC/DC「Big Gun」 絶望感、コンプレックスを吹き飛ばす強烈ハードナンバー

銀色の銃 生きづらさを抱えて
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銃は社会的には現代社会において、さまざまな問題が叫ばれている、ある意味難しい存在であります。

しかし本日紹介する曲「Big Gun」における「Gun」=銃の存在は、困難な人生を生き抜くための大きな支え。

ハードロックバンドAC/DCのかなでるこの曲は、強烈なビートと荒々しいギター、そして金切り声を上げるボーカルとワイルドさ満点のサウンドで、落ち込み沈んだ気持ちの人も走り出さずにはいられないような、強力な引力を持ったナンバーであります。

はたしてその「引力」の根源とはなにか?今回はこの曲が持つ魅力とともに、その真意を探ってみたいと思います。

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『Big Gun』とは


オーストラリア出身の世界的なハードロックバンドAC/DCが1993年に発表したナンバーで、同時期に公開された映画『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックに収録された楽曲でもあります。

1995年のAPRAミュージックアワード(オーストラリアにおいて現代音楽の卓越性を称える目的で授与される毎年恒例の賞。)では、この曲が「Most Performed Australian Work Overseas(海外で最も演奏されたオーストラリア作品)」賞を受賞するなど、非常に注目を集めた楽曲であります。

しかし一方で、現在配信による購入などで『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラック楽曲としては外されており、かつバンドとしては公の場で行われるライブで一度も披露したことがないという、ある意味いわくつきのものともいえる楽曲であります。

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「カッコ悪いことがカッコいい」ハードロックが放つエネルギー

銃を持つスーツ姿の人
1960~70年代が発祥といわれるハードロック。その多くのビジュアルイメージは、髪の長い男性がスラっとした長身のスリムなスタイルを目立たせるかの如く、ピッチリとしたパンツを穿き、長い髪を振りかざしワイルドでセクシーなステージを繰り広げる、というものではないでしょうか。

これに比べると、AC/DCはちょっと異質な感じでもあります。彼らのシンボル的なイメージは、やはりギタリストであるアンガス・ヤングのスタイルが最も強いものであります。

赤い帽子に小学生のようなベルベット生地の学生服。半ズボンにジャケット、ネクタイ姿といういで立ち。ランドセルでも背負わせればまさにお似合いのこの姿ですが、不思議とこの姿とサウンドにドップリとはまると、ロックの真骨頂に触れる衝撃を覚えることでしょう。

元々ロックとは予定調和、世の変えられない流れにあえて反抗する気持ちが生み出したものともいわれており、ステージに上がった時点で「なんじゃこりゃ!?」と思われるビジュアルのバンドも多く登場してきました。

その意味では、彼らはロックの主たる流れの一つであり、視点を変えればとびぬけて異端的な存在ではないわけですが、ヤングのステージパフォーマンスは、それを見ること自体が「ロックの洗礼」といえるほどに強烈なもの。

「カッコ悪い」ことが「カッコいい」ことに思えてくるものであり、それはどこか自分自身にあるコンプレックスが、実は自分の強み、あるいは自身の目指す未来につながるものであると、自分の知らなかった自分に気づく大きなきっかけになるわけです。

「Big Gun」の詞には、実はコンプレックスに触れた内容は一つもありません。しかしAC/DCのプレーは「コンプレックス?それがどうした!突き進め!」といっているような力強さ、後押しが感じられます。

Big gun kick the hell out of you
(訳)デカい銃は無敵だぜ

サビの一番最後にキメのように流れるこの言葉は、まるでハンマーで頭を殴られ呆然としている間に諭されているような気分になります。はたしてこの「デカい銃」とはいったい何なのか?私は誰の胸の内にもある「唯一無二の可能性」ではないかと思っています。

毎日の生活でさまざまに出くわす予想外のハプニング。多くの場合は自分が持つ自信や指針を挫かれ、生きていくモチベーションを砕かれることも少なくありません。

でも「一見奇妙な風貌の」AC/DCが「Big Gun」で繰り出す強烈なエネルギーは、自分に残された唯一の可能性を呼び起こされるような感覚を覚え、いつも自分を奮い立たされるわけであります。

ヒーローを鼓舞する「Big Gun」のメロディー


この楽曲との出会いは、曲自体だけではなく『ラスト・アクション・ヒーロー』との出会いと重なったことでさらに大きなインパクトを生み出しました。

映画のストーリーは、さまざまな問題を抱えるも映画好きで素直な性格を持つ少年が、あるハプニングでアクションスターが出演した映画の世界に入り込み、さまざまな事件に巻き込まれていくというもの。

この物語の大きなポイントは、映画の中で活躍するアクションスターが、逆に現実の世界に引き込まれてしまうというシーンにあります。

「そんなにうまい話、あるわけないだろう!?」という感じでヒーローが、いろんな場面で難題をすり抜けていく映画の世界に比べ、現実の世界はうまくいかないことばかり。それでも彼はなにを言い訳するでもなく信念を貫く姿を少年に見せ、まさに真の「ヒーロー」ぶりを発揮していくわけです。

「BIG GUN」のMVでは、主演を務めたアーノルド・シュワルツェネッガーが、バンドのギタリストであるアンガス・ヤングから蹴飛ばし渡された赤い帽子を受け取り、自分で被るシーンがあります。

この時シュワルツェネッガーの服装はヤングのような「子供っぽい学生服」に早変わり、嬉しそうな表情で狂ったようにロックに興じていきます。

誰にも打ち明けられないさまざまな悩みを抱えながらも、強く生きるヒーロー。映画で見られた主人公の姿はまさしくそのものでした。

ヤングの後押しを受け輝く姿を見せたシュワルツェネッガーの姿を見ると、ヒーローのヒーローたる姿を叩き込まれたような気もして、なんだか自分の胸の中にも沸々とわいてくるエネルギーのようなものをいつも感じるのです。

この時代の映画は、やはり80年代より始まった「イケイケドンドン」的な、大きなエネルギーを発しながらも時代的には近代の風潮に合わないだろうな、とも思われる作品も多く存在していたわけですが、この作品の物語は、それ自体に「今と昔」的な要素も見られ、今見てもしっかりと伝わるメッセージ性が伝わるものであります。

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