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元職員が教える、ハローワークの賢い使い方 10 ~引きこもり、ニートのあなたへ~

膝を抱えて悩む男性 働く-Work
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「働いてみたいけど、ずっと引きこもり(またはニートなど)だったし今さら就職できるのだろうか。というか、どうやって就職活動すればいいのか、面接でどう言えばいいのか分からない」と思っている方はおられませんか?

大丈夫です。遅すぎることはありません。動き始めようと思った時があなたのスタートで良いのです。

ハローワークで数多くの就職相談を経験した元職員がお伝えしたいことを書きます。

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引きこもりやニート状態からの脱却を求めて

面談をするビジネスパーソン

ハローワークでは、正社員就職に関する相談だけでなく、パート勤務の相談や、すぐ就労とまでは踏み切れない方々へのじっくり相談など幅広くおこなっています。求人へすぐ応募せず、ゆっくり相談を重ねていく場合もとても多いのです。

引きこもりやニート状態の子供を持つという親御さんからのご相談もありました。お子さん自身が既に成人している場合、「いつかは働かなくちゃいけないのは分かっているけど、どうしたらいいのか分からない」と悩んでおられることが多いです。ご本人も親御さんも。

で、引きこもっているご本人がハローワークまで訪れるのはなかなかハードルが高いので、親御さんが相談に来られるというケースが多いです。

現在の状況をお聞きし、私がよくお伝えしていたのは「焦らないこと」

まだ就労できるような心身状態に無い場合や、全く就労経験がない場合には、いきなり就労といっても本人にとっては遥かに負担が大きいものとなります。無理しすぎることが逆に良くない結果を招くこともあります。

お金を稼ぐ就労ではなく、まずは引きこもりの人の社会参加を支援している団体などの活動に参加し、社会との関わりを増やしていくことから始めてみてはということもよく勧めたものです。

同じ経験をした人と語り合ったり、ボランティア活動をしたり、内職的な簡単な仕事をする中で社会や他人との関わりへの恐怖感を減らし、自信を付けていくのも遠回りのようでいてとても大切な過程です。

(多額な利用料を請求したり、強引な手法をとる悪質な団体には注意してください。近年では、行政が推薦している団体さんもあるので最初はそのようなところをお勧めします)

これが正解という方法はありませんので、個々の状況をお聞きしながらアドバイスをしていました。 

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ある若者の挑戦

ある日、一人の男性が相談に来ました。

若い頃に少しアルバイトをしたことはあるが、いつからか引きこもり、10年以上経過してしまった。親も高齢に差しかかり、このままではダメだと思って意を決して相談に来たとのこと。

話をしてみると、ゆっくりではあるが、しっかりと受け答えをする真面目そうな性格。初対面の私とでも会話できており、対人恐怖症的なものは無さそうでした。勇気を出してここへ来所されたそのお気持ちを、きちんと受け止めて、支援していかなければと緊張したのを覚えています。

ハローワークまで自分で足を運べているということは、意欲はそれなりにあると判断し、何回も継続して相談を重ねながら方向を決めていくことにしました。

進みたい道を探す

ステップアップのイメージ

ただ、いきなり本格的な就職支援を開始できたわけではありません。最初の数か月間は、自己分析に取り組んだり、求人情報を見てどのような仕事が世の中にあるのか理解していただいたり、基本的な社会人マナーを学んでいただいたり。

一週間に一回、相談に来る日を予約してもらい、支援が途切れてしまうことのないよう進めました。

どの道へ進むか決めるのはご本人ですので、こちらから行う支援は押し付けにならないよう配慮しつつ、必要な情報を提供し、自分なりに進みたい方向性を考えていってもらいました。

すると、彼の中にひとつの目標が浮かんできました。

「調理師になりたいです」

正直、それまでに一度も話題に上らなかったジャンルでしたので「大丈夫かな?」との思いが頭の中をよぎりましたが、彼の選択を尊重しました。

簡単ではないことは本人もよく分かっていたようですが、きっと数か月間、考えに考え抜いたのでしょう。

調理経験といえば自炊で簡単に作る程度の経験しかなかったようで実務「未経験者」なのですが、調理することは昔から嫌いではなく、やってみたいとの思いが湧いてきたのだそうです。

段階を経て歩んでいこう

厨房での調理

いきなり調理師の求人へ応募したとしても、調理師免許は無いし、この年齢で未経験者ではまず難しいし、何よりも10年間何も働いていませんでしたので、パートタイムの調理補助から挑戦してみようとなりました。

調理師学校へ通わないわけですから、実務経験を積み、調理師免許の受験資格を得るしかありません。

厨房での洗い場、食材の下ごしらえ、盛り付けなどを行う調理補助は、未経験者でも応募できる求人が多く、飲食店であれば短時間勤務のものもあります。サービス業は人手不足ですから求人数が多くもあります。

まず最初は4時間×週2日程度のパート求人へ応募することになりました。応募する前には履歴書の書き方、面接での受け答えの練習など、きっちりと準備を行いました。

数件応募して不採用もありましたが、ついに、ある飲食店に採用となりました。

未経験だけど自分が将来こうなりたいという思いを面接で伝えられたようで、採用してもらえたんです!と嬉しそうに報告に来てくれました。

相談員にとって、この瞬間はいちばん嬉しいです。これまでと違って希望に満ちた表情。やっとスタート地点に立てたという喜び。

でもこれからが大事です。ちゃんと続けられるかどうか。これまでの生活リズムを変えないといけませんし、職場での人間関係も築かなければなりません。

パート採用されたあとは、数週間おきに、現状の報告に来てくれました。来所を課したわけではないのですが、彼なりの誠意で、報告だけでなくモチベーション維持のためにも必要だったようです。

最初は彼なりに大変努力したことでしょう。慣れない仕事、体力不足…。でも真面目に仕事をする姿勢が信頼を得たようで、雑用や簡単な仕事だけだったのが、1年ほど経つと、お出汁をとる作業をさせてもらえるようになったなど、徐々に責任のある仕事へとステップアップしていきました。体力も戻ってきたこともあり、勤務時間もこの頃にはだいぶ増えていました。

あとは、調理師になれるよう飲食店で色々学びスキルを習得していく長い道のりです。

フルタイムに近い働き方になった頃、ハローワークへ報告に来てくれるのは、何かあった時だけでいいよと言いました。仕事で疲れているでしょうし。来ないのは元気にやっている証だと思うから、と。

あれから10年以上経ちましたが、今でも元気に働いているか、ふと思い出すときがあります。

もし、あの飲食店を辞めていたとしても、違う職業へ変わっていたとしても、その経験は無駄にはなりません。がむしゃらに頑張った日々は何物にも代えがたい、彼の宝物です。

焦らないでいい

植物の芽を持つ手

何もしていない期間があれば不安になるのは当たり前。同級生は就職して、生き生きと輝いているように見える…。それに比べて自分は…。と思うと、心が苦しくてしかたないでしょう。

でも、「いつかは何とかしなくちゃいけない」という気持ちを持っておられるなら、いつからでも遅すぎることはありません。確かに、数年を無駄にしたかもしれません。でも、悩み続けてきたあなただからこそ、深く物事を考えてきたはずです。

人によっては、就職活動をしても採用までにもっと時間がかかることも、仕事が合わずに早期退職してしまうなど紆余曲折あったりもするでしょう。

だけど、それは決して無駄にはなりません。大丈夫、少しずつ始めましょう。

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