Apple の最新のオペレーティングシステム、macOS 13 Ventura では、Macの起動、スリープ、再起動、システム終了などを行う「スケジュール」機能を GUI で設定できなくなりました。これにより、ターミナルを使ってコマンドラインからの操作を行うことに。この記事では、新たに必要となる「pmset」コマンドの使い方を説明します。
廃止された GUI 設定
macOS 12 Monterey までは、システム環境設定内の「バッテリー/省エネルギー」セクションに「スケジュール」機能が存在していました。
これにより、Mac の電源を自動的にオン/オフしたり、スリープや再起動を指定した時間に設定することが可能でした。
しかし、macOS 13 Ventura においては、システム設定アプリが iOS に準じてリニューアルが行われました。その結果、これまでのスケジュール設定 GUI が廃止されてしまいました。
macOS 13 Ventura では、スケジュール機能はコマンドラインベースで実装されています。具体的には、ターミナルを開き、「sudo pmset repeat type weekdays time」のような形式でpmsetコマンドを使用してスケジュールを設定する必要があります。
pmset コマンドの基本的な使い方
macOS のターミナルで実行する pmset コマンドは、システムの電源管理設定を制御するためのものです。このコマンドを使うと、スリープタイマーや起動/シャットダウンのスケジューリングなど、さまざまな設定を調整できます。
pmset の設定方法
具体的には以下の2つの形式で pmset コマンドを使用できます。
単発のスケジュールを設定する場合
sudo pmset schedule (操作内容) "(日付)"
操作内容として指定できるものは以下の通りです
- shutdown:シャットダウン
- poweron:電源オン
- sleep:スリープ
- wake:スリープ解除
- wakeorpoweron:スリープ解除、または電源オン
単発スケジュールの日付指定の形式は次の通りです(時間は24時間制です)。
MM/dd/yy HH:mm:ss(=月/日/西暦下2桁 時:分:秒)
例えば2023年5月30日の12時に電源をオンにするなら、以下のようにします。
sudo pmset schedule poweron "05/30/23 12:00:00"
繰り返しのスケジュールを設定する場合
sudo pmset repeat (操作内容) (曜日と時間)
繰り返しスケジュールの曜日指定の形式は以下の通りです
- M:月曜
- T:火曜
- W:水曜
- R:木曜
- F:金曜
- S:土曜
- U:日曜
例えば以下のようにすると、月・水・金曜日の12時にシャットダウンをします。
sudo pmset repeat shutdown MWR 12:00:00
これらの情報を使って、自分が望むスケジューリングを設定することができます。
スケジュールの確認とキャンセル
設定したスケジュールは、以下のコマンドで確認することができます
pmset -g sched
「Repeating power events」が、繰り返しスケジュールを、「Scheduled power events」が単発スケジュールを表しています。
そして、スケジュールのキャンセルは以下のように行います:
単発のスケジュールをキャンセルする場合
sudo pmset schedule cancel (スケジュール番号)
繰り返しのスケジュールをキャンセルする場合
sudo pmset repeat cancel
まとめ
macOS では、ネットワークに続いてスケジュールも簡単な GUI ではなく、コマンドラインでのみ操作するようになりました。大変残念なことです。
今回はスケジュールのコマンドラインでの設定方法をご紹介しました。上記の情報を参考にすれば面倒でも操作することができます。ぜひ、お試し下さい。