2026年9月22日、Claude Opus 5.5 が出ました。
私は WordPress 用の AI チャットボットのプラグインを作っています。Rapls AI Chatbot という名前で、WordPress.org で無料版を配っています。この記事で紹介するのは自分のプラグインです。先にお伝えしておきます。
新しいモデルが出たら、プラグインのモデル一覧に1行足す。いつもはそれで終わります。
今回も、足す前にコードを読み直しました。
読み直さずに足していたら、Opus 5.5 を選んだサイトのチャットは、全部エラーになっていたはずです。
この記事の前半はその失敗の話です。後半は、どのプラグインを使っている人にも関係する話として、チャットボットのモデルを切り替える前に確かめたいことを書きます。
前半:1行足せば終わる、と思っていた
公式の一覧には「関係ない」と書いてあるように見えた
Claude の新しいモデルには、たいてい「これまでと変わった点」の一覧が付いています。
Opus 5.5 の一覧には4つ並んでいました。
考える機能を切れなくなった。ツールを強制して使わせる指定ができなくなった。ほかの2つは、チャットボットではまず使わない機能の話です。
私のプラグインには関係ない。そう読みました。
読み直したら、2か所で当たっていた
1つめは、ツールを強制する指定でした。
サイトの情報に答えがないとき、Web 検索を必ず使わせる機能があります。自分で作った機能です。それが、まさにこの指定を使っていました。使っていないと思い込んでいました。
2つめは、一覧に載っていないものでした。
「温度」という設定です。AI の答えのばらつき具合を決める数字で、私のプラグインでは 0.7 を送っていました。
公式の移行ガイドによると、Opus 4.7 以降のモデルは、この数字を初期値以外にすると受け付けないそうです。
Opus 5.5 の一覧に載っていなかったのは、もっと前のモデルから始まっていた変更だったからでした。一覧は、ひとつ前のモデルからの差分しか書いていません。

私のプラグインのモデル一覧は、Opus 4.6 で止まっていました。4.6 は温度を受け付けます。
一覧を更新していなかったので、たまたま踏んでいなかっただけでした。
訪問者には、何が起きたか分からない
もう1つ、あとで気づいたことがあります。
こういう失敗が起きたとき、サイトの訪問者に見えていたのは「エラーが発生しました。しばらくしてからお試しください」という意味の英文だけでした。
設定の問題なので、時間を置いても直りません。
訪問者は何度か試して、あきらめて帰る。サイトの持ち主は、エラーのログを見に行くまで気づかない。

プラグインの側は、この3つを直しました。温度は受け付けるモデルにだけ送る。検索は強制せずに指示で頼む。AI が回答を断ったときと、答えが長すぎて途中で切れたときは、汎用のエラーとは別の文言を出す。
ただ、この対応版はまだ配っていません。実際の Opus 5.5 には、まだ1回も質問を送っていないからです。確かめてから出します。
技術的な中身は、自分のブログに書きました。
Claude Opus 5.5 の破壊的変更は4つ。当たっていたのは、一覧にない1つと、使っていないはずの1つでした
後半:切り替える前に確かめたい4つのこと
ここは Rapls に限らない話です。
AI チャットボットのプラグインで、Claude のモデルを新しいものに切り替えるとき、私ならこの4つを確かめます。
一覧にあるモデルから選んでいるか
モデル名を自由に入力できるプラグインもあります。
一覧にない新しいモデルを手で入力すると、プラグインがそのモデル向けの調整をしていない可能性があります。温度の件がまさにそれでした。
プラグインの更新を待って、一覧に出てきてから選ぶほうが安全です。

切り替えたら、訪問者として1回質問したか
切り替えたら、ログインしていないブラウザ(シークレットウィンドウなど)で、自分のサイトのチャットに1回質問してみてください。
管理者としてログインしたままだと、訪問者とは違う表示になるプラグインもあります。
答えが返ってくれば、まずは大丈夫です。エラーが出たら、元のモデルに戻してから原因を調べます。
料金の出方が変わる
Opus 5.5 は、Opus 5 より単価が安くなりました。入力が100万トークンあたり4ドル、出力が20ドルです。Opus 5 は5ドルと25ドルでした。
ただ、Opus 5.5 は考える機能が常にオンで、切ることができません。簡単な質問なら考えずに答えることもあるそうです。
公式の資料によると、考えた分のトークンは、画面に出なくても出力として課金されるそうです。
単価は下がっても、1回の質問あたりの料金が下がるとは限りません。

チャットボットは、自分の API キーで動かしている人が多いと思います。
切り替えて数日たったら、Anthropic の管理画面で使用量を見ておくと安心です。
答えを断られることがある
Opus 5.5 は、一部の分野の質問に答えないことがあります。公式の資料では、生物学やサイバーセキュリティなどが挙がっていました。
お店や会社のサイトのチャットボットで、そういう質問が来ることは多くないと思います。
ただ、断られたときに訪問者に何が表示されるかは、プラグインによって違います。汎用のエラーになるプラグインもあるはずです。
急いで切り替えなくてもいい
いま Opus 4.6 などで問題なく動いているなら、急ぐ理由はあまりないと私は考えています。
新しいモデルのほうが賢いのは確かです。でも、サイトの営業時間や商品の場所を答えるチャットボットに、そこまでの賢さが要るかどうか。
考える時間が長くなれば、答えが返ってくるまで訪問者を待たせることにもなります。ここは私もまだ測っていません。
あなたのサイトのチャットボットは、いまどのモデルで動いていますか。

