これまで、実際にハローワークへ赴いて利用する時のコツをご紹介してきましたが、利用が初めてというかたは、まず自宅のパソコンから「ハローワークインタネットサービス」で大まかに求人の傾向を見てみましょう。
ハローワークの元職員が、じょうずな求人検索のコツをご紹介します!
ハローワークインターネットサービスとは
ハローワーク利用が初めてのかたで、ご自宅に通信環境が整ったパソコンがあるならば、まずは「ハローワークインターネットサービス」で求人の状況を見てみましょう。
厚生労働省が運営している公的なサイトであり、全国の求人情報の検索や、ハローワークの利用方法などを調べることができます。
掲載の範囲
ただし、「ハローワークインターネットサービス」には全ての求人が掲載されているわけではありません。インターネット掲載しても良いと求人側が承諾したものだけが載っているわけです。
割合的には、ハローワーク求人全体の約8割が、インターネットサービスで閲覧できると考えてよいと思います。
インターネットサービスに掲載したくない企業側の理由で代表的なものには、以下のようなものがあります。
・応募者が多いと対応が大変。
・通勤手当の上限額が低いため、遠方からの人に応募してほしくない(とりあえず何でもいいのでと応募してきて、やっぱり通勤手当が全額保証されないなら辞退しますというような人を避ける意図)。
・ライバル企業たちに、積極的に当社の条件を開示したくない。
ハローワーク庁舎内の検索パソコンとの違い
ハローワーク庁舎内に置いてある、検索用パソコンは「ハローワークインターネットサービス」とは異なります。「インターネット掲載はしたくないが、ハローワーク内でのみ求人公開する」という区分の求人は、このハローワーク庁舎内パソコンでないと閲覧することができません。
つまり「ハローワークインターネットサービス」は求人全体の8割が掲載されているとするなら、こちらの庁舎内検索パソコンにはほぼ10割が載っていると考えてください。
求人検索のコツ
「ハローワークインターネットサービス」では様々な求人を調べることができますので、自分の希望業界や職種の求人条件を把握したり、求人の多い少ないを調べたり、想定していなかった職種への新たな興味が湧くきっかけになったり。と、とても参考になる使い方が出来ます。
自宅でインターネットが使えない人は、ハローワーク内の求人検索パソコンを使えば問題ありません。パソコン操作が苦手な人は、ハローワーク窓口で相談すれば職員が一緒に求人を探す手伝いをしてくれます。
いずれの場合も、検索しても希望に合う求人があまり出てこない時があります。が、すぐに諦めてはいけません。
条件を絞り過ぎてしまっていて、求人が出てこない状態の可能性が高いです。ここを少し変えるだけで多くヒットし、応募のチャンスが増えるので狙い目!というポイントを特別にご紹介しますよ。
完全週休二日制&土日祝休みで検索するな
例えば、この記事を書いている今、試しに「一般事務、正社員、大阪府」で検索すると2,545件の求人がヒットしましたが
→ここに詳細条件として「週休二日制(毎週)、土日祝休み」を追加した場合、804件しかヒットしませんでした。なんと3分の1に減ったのです。
つまり、「年に一日だけ土曜出勤がある」場合や、「週休二日制(毎週)は維持しているものの、年に一日だけは土曜休みが水曜休みに振り替えられている」場合などは、完全な土日祝休みの週休二日制にならないため、検索に引っかかってこなかったというわけです。
年に一日だけのことなら別に問題ないという人もおられるでしょうし、そういった人の場合に、検索にこの求人が出てこないのは勿体ないの一言に尽きます。
土日休みでなくても、例えば水曜と日曜・祝日が休みで年間休日数は120日程度あり、その他の条件も良い求人があれば、そちらのほうでも良いかもしれません。
応募者が少ないがゆえに賃金を少し高めに設定されていたりしたら、なおさらもったいな過ぎます。応募者が少ないため採用確率も高くなり、狙い目なわけです。
私などからしますと、平日に休みがたまにあるほうが、役所や銀行などの手続きに行けて案外重宝します。商業施設などへ行くにも平日だと空いていて利用しやすかったりします。
ということで、休日条件を特に厳しめに絞る必要がない人は、休日の項目は入力せずに各求人の詳細を見て他の条件ともあわせて考えていくことをお勧めします。
職種を絞り込みすぎるな
例えば事務職希望の場合、「一般事務」だけに絞って検索していませんか?
それ、損しているかもしれませんよ!
専門性が含まれる可能性ももちろんあるのですが、営業事務、総務事務など様々な呼び名の事務職があります。会社によってはなんとなくその名称で呼んでいるだけで、あまり厳密に総務だけをやっているわけでもなく一般事務的な内容ということもありますので、求人検索時には職種名にこだわりすぎないことが大切です。
つまり、可能性がありそうな職種はチェックをONにしておき、個別の求人内容を見て判断すると良いでしょう。
また、左上にある「こだわらない」にしても良いのですが、ここの分類では「役員・管理職」まで含まれてしまいますので、単なる事務職の場合はここではONにしないほうがよいでしょう。
年齢は正直に入力するな
原則として年齢制限は設けてはいけないことになっているのですが、以下の「例外事由」に該当する場合は年齢制限をつけて求人募集されています。
しかし(求人によって事情はもちろん異なりますが)その年齢枠でないと絶対に採用しませんというわけではないこともよくありますので、自分がその年齢制限から少し外れていたとしても応募したい求人の時には、職員へ相談することをお勧めします。
案外、応募ができて採用まで至ったというケースが私の経験上も多かったので、迷うくらいその求人に魅力を感じたなら、行動を起こしてみましょう。
絶対に譲れない条件だけを入力すべし
ここまで読んで頂いた方は徐々に分かってこられたかもしれませんが、要するに「最初から検索条件を絞り込みすぎないこと」がポイントです。
求人数が多くヒットしすぎて見るのが大変な時に、条件をひとつずつ足して絞り込みましょう。
求人検索の方法や、求人票の読み取り方がうまくできておらず、「応募できるのが全然無い」状態に陥っている方は割と多いです。心配なかたはぜひ、相談窓口の職員へ一度相談してみるとよいでしょう。
フリーワード検索
珍しい職種や、特定の資格・ソフトウェア経験を活かせる求人を探す時などには「フリーワード検索」の箇所を使ってみましょう。上記でご説明してきた検索条件入力だけでは即座に自分が思う求人が出ませんが、フリーワード検索ならすぐに絞り込めます。
「在宅勤務」希望の場合も、このフリーワード検索で絞り込めますよ。