皆さんは「アップサイクル」を知っていますか?
「リサイクル」は知っているけど「アップサイクル」という言葉にはあまり馴染みがない…という人のほうが多いかもしれませんね。
先日、バナナの茎をアップサイクルしてバッグ等を作り上げているブランド、MUSACO Sri Lankaさんをご紹介しました。
廃棄物に「新しい価値を加える」がキーワードのアップサイクル。
誰でも気軽に参加できる「環境にやさしい暮らし」とは何なのか。
あなたも一緒に始めてみませんか☆
「アップサイクル」って何?なぜ今注目されているのか
リサイクルとアップサイクルの違い
廃材や不要品を回収・再生し、原材料として再利用すること。
元の素材の「価値を維持または低下」させながら再利用。
代表的な例としては、飲料のペットボトル回収が身近ですね。再生原料に戻してから、もう一度ペットボトルにしたり別の食品トレーなどに生まれ変わります。
「創造的再利用」とも呼ばれる。
廃材や不要品に新たな価値を加えて、より良い品質と環境価値の新しい製品にアップグレードすること。元の素材よりも「価値が高まる」ことを目指す。
例としては、食材宅配サービスを提供するOisix(オイシックス)が商品の製造工程で出た野菜の皮や茎などをチップスなどに加工して販売し、フードロス削減を進めているものなどがあります。
SDGsやサステナブルな暮らしとの関係
つまり、リサイクルが「素材の再利用」なら、アップサイクルは「物語の再創造」。
「アップサイクル」の考え方は、資源の無駄を減らし、環境に優しいライフスタイルを実現するという点で注目されています。
クリエイティブなアイデア次第で、捨てられるはずのものが新しい魅力を持つアイテムに生まれ変わります!
「捨てる」から「生まれ変わる」へ──価値観の変化
廃材や不要品を活用するとゴミを削減でき、CO2の削減など環境問題の解決にもなります。
地球の資源もいつかは尽きてしまうのではないか…。あなたもふと危惧したことはありませんか?
その危機感から、企業や個人が積極的に取り組もうとする機運が高まっています。
持続可能な社会の実現に貢献するため、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」とも深く関わっていて、日本でも、アパレル業界や食品業界などでアップサイクルの事例が増えているのです。
アップサイクル製品を取り入れるコツ
「環境問題に取り組む」と考えると、何から始めていいのか分からない…、ハードルが高そう…と思う人も多いかもしれません。
でも、普段使いアイテムにアップサイクル製品を選ぶだけで、それが実現できるとしたら。自分にもできそうですよね。
まずは小物から始める(ファッション雑貨など)

画像:「MUSACO Sri Lanka」サイトより引用
私たち個人が気軽に取り入れやすいアップサイクル製品として、ファッションブランドが創り出す小物アイテムは、おススメです!
アップサイクル製品はどうしても製造工程に手間がかかってしまうため、お値段的には手を出しにくいものもありますが、バッグやアクセサリーなどの服飾雑貨や小物アイテムには比較的リーズナブルなものもあり、最初に取り入れてみるにはぴったりです。
おしゃれで個性的なデザイン
大量生産の既製品とは違い、ひとつひとつハンドメイドのアイテムだったりするので、オリジナル性があり個性的なデザインのものが多いことが大きな魅力。
機械で大量生産しづらいアップサイクルだからこそ、それを強みにしたとも言えます。
誰かと同じ画一的な物ではなく、「自分らしさ」を表現出来たり、ハンドメイドゆえの「オンリーワン性」が嬉しいですよね。
ブランドのストーリーを知って選ぶ
製品化するまでの大変なプロセス。どんな未来を思い描いて商品開発したのか。素材の背景、作り手の想いは、まるで壮大なドラマ!
アップサイクル製品の裏側を覗いてみると、普段の私たちの日常では意識してこなかった地球環境のことや作り手の顔までが見えてくるのです。
アップサイクルブランドのWEBサイトを訪問すると、そのストーリーが書かれていますのでぜひ読んでみましょう。知ることは、自分の生き方を豊かにしてくれる気がします。
プレゼントにもおすすめ!話題性と想いが伝わる
大切な人への贈り物には、自分の大切な想いも込めたいですよね。
素敵でオンリーワンなアイテムは、大切な人のことを思い浮かべて丁寧に選んだのが伝わるでしょう。
「これって実は、こんな素材から出来てるんだよ」と話が盛り上がることも期待できますね。
注目のアップサイクルブランド3選
MUSACO Sri Lanka

画像:「MUSACO Sri Lanka」サイトより引用
実を収穫したあとの廃棄予定のバナナ茎に着目し、手作業でバナナ繊維を抽出。この繊維を糸に紡いで編み上げたバッグや小物入れは、ナチュラルで温かみのある素材感が特徴。
ナチュラル系のファッションやインテリアのアクセントになるとして人気が高まっています。
日本の非営利団体がプロデュースする形で発足し、スリランカの貧困地域の女性や障害者の仕事創出にも貢献されています。アップサイクルと貧困地域支援、フェアトレードの融合です。
カエルデザイン

画像:「カエルデザイン」サイトより引用
海を汚染する海洋プラスチックを回収し、そのままの色合いを活かしたイヤリングやネックレス等に作り上げておられます。
障害のあるアーティストたちが製作に携わっていて、その感性を発揮した唯一無二の美しいアクセサリーは、海のゴミだったとは思えないほどの、うっとりするような輝きに満ちています。
アップサイクルと障害者就労支援の組み合わせです。
Öffen(オッフェン)

画像:「オッフェン」サイトより引用
靴の素材に、使用済ペットボトルから作った再生ポリエステル糸を使用。シンプルで洗練された都会的なテイストのデザインは、多くの人に愛されています。
アップサイクルと高級感あるブランドイメージとの融合です。
まとめ
- 自分らしい選択が、社会や環境への貢献につながる
- おしゃれとサステナビリティを両立する新しい価値観
アップサイクルで「選ぶこと」が未来を変える。小さな一歩から始めてみよう。