脳卒中になって、障害者になってしまった。
どうもはじめまして。ひですけと申します。
2021年の年末に頭の右被殻という場所で出血し、利き手側、左半身麻痺と感覚障害になってしまいました。
いわゆる脳卒中という病気で、脳の中の血管が破れ、出血により脳細胞が死んでしまう病気です。
これによって利き腕の握力は8㎏となり、足に至っては筋力の持久力が著しく下がってしまい、数百メートル歩くのがやっとになってしまいました。
「脳卒中ひろば」の管理人をしています(「脳卒中ひろば」は筆者個人が管理)。
脳卒中の後遺症は十人十色。不自由さと痛みで「うつ状態」になる人も
私の場合はまだなんとか動けたり、呂律が回らない時があるものの一応は話せたり、自分で考え判断したりもできます。
また、力は弱いですが、指を動かしパソコンのキーボードなどは打てたりもします。
車の免許も復活することができました。
ですが、同じ部位を損傷しても人によって症状や力の入り具合が違ってくるのが脳卒中の後遺症の特徴でまさに十人十色です。
また、麻痺のキツさも天気や気圧、気温によって変わり、台風や大寒波など悪天候の時は、指を握ったり開いたりするのさえ、痛くてできない時があります。
そういう時は手足だけでなく耳や鼻の際、頭や喉の奥まで痺れているのがわかり、呂律も回らず話しにくく、お茶など誤嚥しやすいです。
脳神経の痛みにロキソニンなどの痛み止めは効きにくいので、そういう時は温めながらじっと耐えるしかありません。
それでもまだ私はマシなほうで、中には体が動かせず寝たきりや、言語障害、失語症などの高次脳機能障害を抱え、自分が今どこにいるかわからなくなってしまっている人もいます。
日本うつ病センターによると、今までの環境とのギャップや体が動かせない不自由さと痛みに耐えかねて、脳卒中を発症した約20~40%が「うつ状態」になってしまうとのことです。
発症してから半年後に四十肩…!脳卒中の怖さは後からやってくる
脳卒中の怖いところは発症して治っておしまいではなく、後遺症がずっと続き、それに起因する痛みが後からくるところです。
例え脳の血管は治っても、死んだ脳細胞は治らないので、脳から全身に届くはずの信号にノイズが混ざり、様々な不具合を誘発します。
その一つが、下図のように内側の筋肉がひきつって足や手が内側に引っ張られる「痙縮」といった状態を引き起こします。
画像出典:痙縮情報ガイド
また、痙縮だけではなく発症時にはまだまだ元気な筋肉も、脳神経から異常な信号が出る状態が続き、時間が経つにつれ痩せ細って時間差で不調をきたし、例えば肩のインナーマッスルを傷害し、後々になって四十肩や五十肩のような痛みを発したり、腕の重さに耐えきれず脱臼のような痛みを伴う「亜脱臼」になることもあります。
私も経験がありますが、発症後半年して急に痛み出し、痛みは日ごとに酷くなって最終的には夜寝れないほどになってしまい、意識が朦朧としてサイトの更新も何もできなくなり鬱っぽい状態だった時期があります。
ステロイド注射で痛みを取り、拘縮(筋肉が癒着して張り付いている状態)を剥がし、可動域を確保する為のリハビリをしたことがりますが、あの痛みはまさに恐怖でしかありません。
脳卒中患者が完治後もリハビリしなければならない理由とは?
脳卒中患者のリハビリは、筋力低下の予防だけでありません。
確かに筋トレという側面もありますが、それと同時に手足側から脳へ信号を送り、神経を再建する意味合いもあります。
神経を再建することで、損傷した個所ではなく、脳からの信号にノイズが混ざらない別ルートを新たに作るという意味合いもあります。
そのため、脳の血管が完治しても、脳細胞が死んでいる限り、リハビリは継続しなければならないのです。
逆にリハビリを継続しなければ、神経の再建も出来ず、筋力も弱ってどんどん動けなくなり、痙縮や亜脱臼などの症状に負けてしまいます。
死んだ脳細胞は生き返らないのか?
2000年初頭までは脳細胞は死んだら生き返らないというのが医学の定説でしたが、iPS細胞をはじめとした幹細胞研究により、今では脳細胞を生き返らせる方法はあると言われています。
ただ、まだまだ一般的ではなく、保険適用も出来ない自費の先端医療がほとんどです。
『車を買うほどお金をかけて成果なし』ということもありえますので、もう少し事例が増え、医療保険が適用になり手が出しやすくなればいいのですが…。まだもう少し先かなと思います。
まとめ
私も脳卒中になる前は病気に特に知識もなかったがために、障害を持った仕事の同僚や先輩に知らず知らずのうちに辛くあたっていたのかも知れないな…。
そう思うと同時に、いざ自分がこの立場になって過去の自らの行いを悔いています。
世の中は因果応報だとも言いますので、ある種、仕方のないことかもしれませんが、これを読んでくれている方の中には、まだ間に合う人もいるはずです。
実はすぐそばにも苦しんでいる人がいるのかもしれません。
知らなかったら他人事。知っていればかける言葉も変わってくるかもしれません。
今回の記事がどなたかのお役に立てたなら幸甚です。
お読みいただきありがとうございました。
次回は脳卒中の予防で気を付けるべきことを書いてみようと思います。
それでは、またの機会にお会いしましょう。