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アップサイクルの最前線を見る ーMUSACO Sri Lankaが紡ぐバナナ繊維の物語

バナナの木と森 SDGs
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バナナの茎がバッグになるなんて、想像できますか?

スリランカの森や農園で放置されていたバナナの茎。それが、手仕事によって美しい繊維へと生まれ変わり、軽くて丈夫なバッグや雑貨に姿を変える。

いま注目のアップサイクルブランド、「MUSACO Sri Lanka」。
今回は、その生産工程を詳しく伺いました。

キーワードは「エコ(環境に負荷をかけない)」と「ハンドメイド」。

 

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バナナは「草」の仲間?!

バナナの木

「NPO法人アプカスサイト」より引用

スリランカでは多様な種類のバナナが栽培されています。
なんとなく「バナナの木」と呼んでいますが、3~4mもの高さに育つバナナは学術的には草本植物のため、実は「木」ではないことを皆さんは知っていますか?

正確には、バナナはいわゆる「草」の植物ですので、木の幹のような部分は「幹」ではなく「茎」なのです。
スリランカの言葉ではバナナを「musa」、茎を「co」と呼びます。

バナナの寿命は約一年。いったん実を収穫したら終わりですので地上50cmほど茎を残して伐採します。
そうすると、そこからまた新しい茎が伸びて大きく育ち、6か月ほど経つと新しい実を結びます。
短期間であんなに大きく育つとは、すごい生命力ですよね。

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廃棄されるバナナ茎が資源に変わる!

道端に置かれたバナナ茎

これまでは、伐採された茎は廃棄物として処分されていた厄介者でした。

放置しておくと腐りますし、野焼きすると煙は大気汚染の原因になります。

廃棄物を減らし、資源を有効活用できないかと長年模索されてきましたが、茎をアップサイクルすることは地球環境にも貢献でき、現地住民の仕事も創り出せるとしてこのプロジェクトが始まったのです。

アップサイクルの工程

それでは、どのようにして製品にまで作り上げるのか、その工程を詳しく見てみましょう。

バナナ茎を伐採

太いバナナ茎を伐採する女性

廃棄される古いバナナを探して茎をナイフで切り落とします。茎にはたくさんの水分が含まれているためとても重く重労働です。

トラックでバナナの茎を運搬

少し遠くの地域まで足を運ぶときはレンタルしたトラックの荷台に何本も積み込んで運搬します。

バナナ茎の皮むき作業とは?繊維抽出前の重要ステップ

バナナの茎をむいていく女性

茎の部分は、葉が幾重にも重なっている構造ですので、タケノコの皮のように一枚一枚むいていきます。内側の白い綺麗な皮を使っていきます。

バナナの茎をむいていく男性と女性

伐採直後の茎は水分量が多く、放置すると腐敗してしまうため手早く作業しなければなりません。

バナナ繊維の抽出方法は2種類

薄くむいた茎から繊維を取り出すには2通りの方法を取り入れています。

バナナの茎を圧縮機でつぶしていく男性

一つ目は、圧縮機に通す方法。圧縮して引き抜き、繊維だけを取り出します。

取り出した繊維を干して乾かす

そのあと、水にさらしてから乾かします。

バナナの茎をナイフで削って繊維を取り出す

二つ目は、ナイフで表面を削り取り、不純物を極限まで除去する方法です。細く長い繊維を取り出すことができます。

丁寧に抽出したバナナ繊維

白くてしなやかな高品質の繊維になりますが、時間も労力もかかるため、一部分の製品にこれを使用しています。

いずれも薬品を一切使わず、環境負荷の少ない製法であることを大切にしています。

糸に紡いでいく

バナナ繊維を糸に紡ぐ

抽出した繊維を水にさらして乾かしたあと、手作業で最高品質の糸に紡いでいきます。
バナナ繊維だけで均一な太さに紡いでいくのは、手作業でしかできない難しい作業です。

熟練しても縒り上げられるのは1時間に4〜5m程度。根気が必要なこの作業は、本当に好きな人しか続ける事ができません。

バナナ繊維から糸を作る上で最も難しいことの一つは、結び目をすべて同じ太さにすること。糸の太さは0.5mmから8mmまでさまざまです。

縒り上げた糸から製品を作る

バナナ繊維の糸でバッグを編む女性

軽くて丈夫な糸にしたバナナ繊維。マクラメ編みや様々な方法で製品へと生まれ変わらせます。

「地球環境にやさしいアップサイクル」と「障害者とその家族を含むメンバーたちの生計向上」の2軸を理念に、丁寧に手作業で作り上げるアイテムを一度ご覧になってみてください。

 

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