インターネットを利用する際、デバイス事に IP アドレスという独自の識別子が割り当てられます。しかし、この IP アドレスは直接的な個人情報とはならないために、基本的には安心して利用できます。
本記事では、IP アドレスの概要、個人情報保護法との関連性、そして安心して利用できる理由について解説します。
さらに、インターネット利用者が自分自身のプライバシーを守るための知識や対策についても紹介します。
IPアドレスの基本
インターネットプロトコル
インターネット上でデータが正確に送受信されるためには、インターネットプロトコルが利用されます。
これは、インターネット上で通信する際の共通のルールです。IPアドレスは、インターネットプロトコルのもとで割り当てられる特定の識別番号であり、インターネット上のデバイスが互いに通信する際に使用されます。
IP アドレスの役割
IP アドレスは、インターネット上の各デバイスに一意に割り当てられる番号で、データの送受信を可能にします。
例えば、ウェブサイトにアクセスするときや電子メールを送信する際には、IP アドレスを利用してデバイス間でデータがやり取りされます。このように、IP アドレスはインターネットの基盤となる技術です。
IPアドレスと個人情報保護法
個人情報保護法とは
個人情報保護法は、個人情報の取り扱いを規定する法律です。
これにより、個人を特定できる情報（氏名、生年月日など）が保護されます。個人情報保護法の目的は、個人のプライバシー権を尊重し、個人情報の適切な取り扱いを確保することです。
IP アドレスが直接的な個人情報に該当しない理由
IP アドレスは、インターネット上のデバイスを識別するための番号であり、通常は個人を直接特定する情報ではありません。
したがって、基本的にはマイナンバーのように、個人情報として個人を特定できるものではないので、IPアドレスだけでは個人情報保護法の対象とはなりません。
ただし、特定の状況下で他の情報と組み合わせることにより、個人が特定される可能性があります。
そのため、自分のプライバシーを守るためにも、インターネット上での行動に最低限の注意を払うことが重要です。
個人情報ではない理由
動的IPアドレスの普及
多くのインターネットサービスプロバイダー（ISP）は、動的 IP アドレスを提供しています。
動的IPアドレスは、一定期間ごとに変わるため、特定の個人に関連付けられることが難しくなります。どの時間に、誰がどの IP アドレスを提供されたのかを知ってるのは、インターネットサービスプロバイダー（ISP）だけということになります。
この情報をインターネットサービスプロバイダー（ISP）が公表するのは、情報開示請求により、裁判所が認めた時のみです。
これにより、インターネット利用者のプライバシーが守られることが期待できます。
個人情報の特定が困難
IP アドレス単体では、個人を特定することができません。そのため、IP アドレスが漏洩した場合でも、直接的な個人情報が漏れることはありません。
ホームページを見ている最中、 IP アドレスが大きく表示され、「ウイルスに感染しました」というような警告文を見たことはありませんか？
この場合でも、個人を特定したように見せかけているだけで、実際は個人は特定されていません。
しかし、IP アドレスは他の情報と組み合わせることで個人を特定できることがあるため、一定の注意が必要なことも事実です。
ネットショップで名前などで、こちらから個人情報を入力した時に IP アドレスと組み合わせることができます。この場合は個人情報保護法で保護されます。
インターネット利用者が自分のプライバシーを守るための対策
セキュリティ対策を講じたウェブサイトの利用
インターネット上でのプライバシーを守るためには、SSL (https)などのセキュリティ対策を講じたウェブサイトを利用し、個人情報を適切に管理することが重要です。
特に、オンラインショッピングやインターネットバンキングなど、個人情報が関与するサービスを利用する際には、セキュリティ対策が十分にされていることを確認しましょう。
プライバシー設定の確認と更新
SNS やオンラインサービスにおいて、プライバシー設定を適切に行うことで、自分の情報がどのように利用・共有されるかをコントロールできます。定期的にプライバシー設定を確認し、必要に応じて更新しましょう。
終わりに
IP アドレスが直接的な個人情報ではないという事実を知り、インターネットを過度に恐れずに利用しましょう。
同時に、プライバシー保護の重要性を理解し、適切な対策を講じることで、さらなる安全性を確保することができます。
インターネット利用者は、自分自身のプライバシーを守るための知識や対策を身につけることが求められます。これには、セキュリティ対策を講じたウェブサイトの利用、プライバシー設定の確認と更新、そしてISPやウェブサイト運営者に対しても、プライバシー保護への取り組みを求めることが含まれます。
インターネットは素晴らしい情報源であり、様々なコミュニケーション手段を提供しています。しかし、その利便性と引き換えに、プライバシーやセキュリティに関するリスクも存在します。IPアドレスが個人情報ではないことを理解した上で、適切な知識と対策を持ち、インターネットを安全に楽しく利用しましょう。
