特にパソコンやスマホが普及しだしてから、ブルーライトは話題になっています。
専門家問わず多くの人が、その有害性について議論していますが、一体どのようなエビデンスがあるのでしょうか?
この記事では、ブルーライトの影響を独自に検証し、その真相を明らかにしたいと思います。
また、有害性がある場合はその対策や、デマなら何故広がったかその理由についても考えてみたいと思います。
ブルーライトとは何か?
引用:ブルーライト研究会(http://blue-light.biz/)
ブルーライトは、波長が380~500nmと短く、エネルギーが高い青色の光です。(人の目は380~780nmの波長のみ見えます。)太陽光をはじめ、パソコンやスマホなどのデジタルデバイスの画面や、LED照明などから放出されます。
近年では、ブルーライトが眼の健康や睡眠に悪影響を与えるという報告が増えていますが、じつは、ブルーライトが目に悪いという決定的な科学的エビデンスは、いまのところないのが実情です。
ブルーライトの有害という主張
ブルーライトが有害であるという主張には、以下のようなエビデンスがあります。
睡眠への影響:短波長の青色光は、昼間に目覚めるために役立つ脳内ホルモンである「セロトニン」の分泌を促し、夜に眠りにつくために重要なホルモンである「メラトニン」の分泌を抑制します。「セロトニン」は通常太陽光を浴びることで、分泌が活発になります。
これにより、夜間にデジタルデバイスを使用すると、睡眠の質が低下する可能性があります。
眼の健康への影響:一部の研究では、ブルーライトが特定の波長で眼の網膜にダメージを与えることが示唆されています。これが網膜の老化を加速させ、加齢黄斑変性症(AMD)のリスクを高める可能性があります。
ブルーライトが有害ではないという主張
一方で、ブルーライトが有害ではないという主張もエビデンスがあります。
睡眠への影響に関する研究の限界:ブルーライトが睡眠に悪影響を与えるとされる研究も、状況や個人差によって結果が異なることが指摘されています。また、ブルーライトだけが睡眠の質に影響を与えるわけではなく、生活習慣やストレスなどの要因も関与していることが分かっています。
網膜への影響に関する研究の限界:網膜への影響に関する研究は、主に細胞レベルや動物実験に基づいています。これらの結果が人間にそのまま適用できるかどうかは、まだ明らかになっていません。また、実際にブルーライトが引き起こす網膜へのダメージは、自然な老化過程で発生するものと比較しても非常に小さいとされています。
有害とされる主張に基づく対策
もしブルーライトが有害であると考えるなら、以下の対策が役立つでしょう。
デジタルデバイスの使用を制限:寝る前のスマホやパソコンの使用を避けることで、睡眠の質を向上させることができます。
ブルーライトカット機能を活用:最近のスマホやパソコンの機能に、ブルーライトカットするものがあります。この機能をオンにすることで、ブルーライトの影響を軽減できます。
アイウェアを使用:ブルーライトカットのメガネやコンタクトレンズ、スマホの保護フィルムを使用することで、目を守ることができます。
ブルーライト有害説が広がった理由
ブルーライトが有害という主張が広まった理由には、以下の要因が考えられます。
デジタルデバイスの普及:スマホやパソコンの使用が一般的になり、過度にデジタルデバイスからのブルーライトに対する関心が高まりました。
メディアの報道:ブルーライトの有害性を訴える記事や番組が増え、一般の人々にもその危険性が認識されるようになりました。
商業的利益:ブルーライトカット製品の需要が高まることで、企業がその市場を拡大しようと試み、消費者に対してブルーライトの危険性をアピールすることが増えました。これにより、ブルーライトの有害性が過剰に広まることになりました。
結論:ブルーライトの真相はどうなのか?
現在の科学的エビデンスを見る限り、ブルーライトの有害性については確固たる結論が出ていません。一部の研究では有害性が示唆されているものの、他の研究ではその影響が限定的であることが示されています。
このため、ブルーライトが有害であると考える場合でも、過剰な対策を講じる必要はないでしょう。ただし、寝る前のデジタルデバイスの使用を控えるなど、健康的な生活習慣を維持することは重要です。
一方で、ブルーライトが有害であるという主張が広まった理由には、デジタルデバイスの普及やメディアの報道、商業的利益などが関与していることが考えられます。このことから、ブルーライトの問題に対しては、冷静な視点で情報を取り扱い、適切な対策を講じることが重要であることが分かります。
最後に、ブルーライトの影響に関する研究はまだ十分ではありません。今後も継続的に研究が行われ、より明確な結論が得られることが期待されます。それまでの間、我々は科学的なエビデンスに基づいて、適切な知識と対策を身につけることが重要です。