はじめに
私が住んでいるのは、長野県北部に位置する「長野市」というところです。善光寺があり、県庁所在地のクセに意外と知られていないのは、のんびりしすぎていて商売下手というか、宣伝という概念を持たない方が多いからに相違ありません。
のんびり都市=長野市
そんなのんびり都市にもそれなりの歴史があり、多くの人々が住み暮らしています。どれほどローカルな場所であっても、時間の積み重ねと人と人との交流があれば必ずあるのです。「伝説」が
伝説
伝説とはすなわち、ここ、この場所において起きたこと、起きたと信じられ、語り伝えられてきたことを指します。長野市も川中島の戦いが繰り広げられた地だけあって、様々な伝説がありますが、今ここでお話しするのは、現に存在するものであるにも関わらず、すでに「伝説」と化している存在をご紹介いたします。
秋山食堂の伝説
秋山食堂
この食堂は長野市小柴見という場所にあります。長野駅から徒歩で20分、長野県庁からも10分程度という、至便なとてもよい立地にあるわりに、閑静かつ穏やかな街角にひっそりと佇んでおります。
ディープインパクト
まず驚かせられるのはその外観です。「閑静かつ穏やかな街角」と申し上げましたが、そこに突然立ち現れるフォルムから受ける衝撃は、みながみな「ディープインパクト」と表現されます。
立地
店名 秋山食堂
場所 長野県長野市小柴見375
電話 026-228-8431
大して大きな道路ではありませんが、市内外への抜け道となっている関係上、人・車の通行が多い場所にあり、かなり目立つ場所にあるのですが、ディープインパクトとは場所だけではありません。
スラム街?
「秋山食堂」と大書されたファサード、大昔の金属板で覆い尽くされた外壁は、排気ガスの影響で煤けきり、店の片側は厨房の排気の関係でしょうか、黒い油がびっしりとまとわりついています。清潔感あふれる、とはとても申し上げられません。
そして内部
内部はさすがに飲食するところなので、外ほどではありませんが、床・壁・天井・イス・テーブルのすべてが油染み、ペタついています。とてもとても21世紀に存ずる施設とは思えません。しかしながら、こちらほど長野市民から愛され、支持されている食堂はありません。
メニュー、味わい
秋山食堂最大の特徴は見た目ではありません。そのメニュー構成と味わいにあるのです。こちらには決まったメニューはありません。いや10年ほど前まではあったのですが、現在は壁に黄色い短冊メニューが掲示されています。
短冊メニュー
ある程度決まったものはありますが、基本的にはマスターのその場その時の気分や、目の前にある材料で決定されているようです。したがってメニューにないものを注文しても作ってくれる場合もあります。もちろん、材料がなかったり、多忙なときは別ですが。今回はレジェンド最大級メニューをご紹介差し上げます。
チャーシュウエッグ丼
丸く大きな丼目いっぱいに盛られた熱々ご飯。その上に大量の千切りキャベツ。そして最上段に鎮座するのはチャーシュウエッグ!ハムエッグではない、脂身たっぷりだが薄味のチャーシューが10枚、3個の玉子に封じ込められている。てんこ盛りのその姿は丼というよりも「球」と表現するのが正当かもしれません。
味わい
見た目のインパクトはさる事ながら、その味わいも素晴らしきものといえましょう。そもそもチャーシュウエッグそのものが美味なるものであるところに加えて、加熱された千切りキャベツが甘みを増し、食欲がいや増されるというものです。
弊害
そうはいっても、困ったところがないわけではありません。これははっきり申し上げましょう。凄まじく食べづらいのです。丼はデカいし重いし、その上にてんこ盛り、球形ですから、迂闊に箸をつけるとバラバラと崩れ落ちてしまいます。別皿を用意してもらって、取り分けながらいただくのがおすすめです。
まとめ
これにて、レジェンド=秋山食堂のご紹介とさせていただきます。こちらの魅力はまだまだお話したりませんが、ひとまずといたします。どうかお楽しみに
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