スリランカと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
セイロン紅茶の香り?エメラルドの海?それとも、仏教文化が息づく神秘の国?
けれど、美しいこの国では、障害を持つ人々や農村部の女性たちが「働く機会」が少ないという現実もあります。
機会の不平等、家父長的な文化、そして障害者への理解不足。
こうした社会的な壁が、彼らの可能性を閉ざしてきました。
本記事では、スリランカの貧困率や就労状況といった社会背景を紐解きながら、アップサイクルブランド「MUSACO Sri Lanka」が目指す「誰もが地域の一員として認められる社会」を模索する姿を紹介します。
スリランカという国 ── 美しさと課題が共存する場所
スリランカ民主社会主義共和国。
インド洋に浮かぶこの島国の名前は、シンハラ語で「光輝く島」を意味します。
北海道の約8割ほどの面積に、約2,200万人が暮らしています(2023年時点)。
一人当たりのGDPは約4,516米ドル(2024年)と、日本の8分の1ほど。
経済的にはまだ発展途上の段階にあります。
昔からの基幹産業である農業は紅茶、ゴム、ココナツ、米などの生産が盛んで、宝石や繊維産業も世界的に知られています。観光産業も伸びつつあります。
教育水準や英語力の高さから、ITやサービス業への期待も高まっていますが、近年の政治的混乱により人材の国外流出が進んでいます。
特筆すべきは、都市と農村の経済格差。
港湾都市コロンボを中心とする「英語経済圏」は商業と行政の中心地。一方、農村部ではインフラが整わず、低生産性の農業に依存している地域が多く、収入が低く貧困率が高い状況です。
26年間続いた内戦は2009年に終結しましたが、その後も爆破テロ、コロナ禍、財政悪化などにより国の経済は大きな打撃を受けました。
貧困と教育の壁 ── 生まれた場所が未来を決める
他の開発途上国に比べて、教育制度は最低限は整っていると言えます。
初等教育への就学率は95%、識字率が93%で、基礎的な教育インフラについては、公的教育だけでなくお寺による学校運営もあります。
スリランカでは公教育は大学まですべて無料ですが、最終的に13校ある大学へ入学できる生徒は、全体の5%程度を少し超えるくらいの狭き門です。
また、都市部と農村部の教育格差が課題となっており、学費は無料でも農村部では教科書代が払えず学校に通えない子どもや、親の仕事を手伝うために学びを諦める子もいます。
こうした教育機会の不平等は、将来の職業選択を狭め、貧困の連鎖を生み出しています。
女性の就労 ── 家事労働の「見えない壁」
スリランカでは家父長的な文化が根強く、女性は「家庭を守る存在」と見なされがちです。
2022年の失業率は、男性が3.7%に対し、女性は6.5%。
労働参加率も男性の70.5%に対し、女性は32.1%と大きく下回っています【JETROレポートより】。
特に農村部では、安定した収入を得る職に就くことは非常に困難。女性たちは「働きたい」という想いを持ちながらも、社会的な制約に阻まれています。
障害者の現状 ── 社会から取り残される声
障害者を含む世帯の貧困率は15.7%。
障害者を含まない世帯の8.5%と比べて、約2倍近くにのぼります【スリランカ統計局】。
働き盛りの障害者(15〜59歳)のうち、約7割が就労しておらず、社会との接点を持てないまま孤立しています。
つまり、農村部の障害者や女性は貧しい暮らしから抜け出せないことが課題となっています。
バナナ繊維がつなぐ「共に生きる社会」
MUSACO Sri Lankaのプロジェクトは、障害者とその家族を対象に始まりました。
しかし、バナナ繊維の手工芸品づくりは工程が複雑で大変なため、村の女性たちも自然と参加するようになりました。
障害の有無に関係なく、地域の人々が共に手を動かし、共に笑い、共に誇りを持つ──そんな「共生の場」が生まれました。
それは、「誰もが地域の一員として認められ、安心して暮らせる社会」を編み上げること。
あなたの選択が、誰かの未来を変える
MUSACO Sri Lankaの製品は、ただの手工芸品ではありません。
それは、スリランカの女性や障害者が「自分らしく生きる」ための一歩であり、あなたの手に届くまでに、たくさんの想いと努力が込められています。
もし、あなたが「誰かの人生にそっと寄り添いたい」と思うなら──
MUSACO Sri Lankaの製品を手に取ってみてください。
その一つひとつが、光輝く島の未来を照らす、小さな灯りになるはずです。
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