支援者として働き始めて約10年。
たくさんの方と出会い、支援させてもらいました。
自分の支援が実を結んだと思う瞬間もたくさんありましたが、時には力不足を思い知り、支援者としてこれで良いのかと悩むこともありました。
まだまだ未熟な私ですが、7月から相談支援事業所を立ち上げました。
まだ3か月程度ですが、たくさんの方と出会うことができています。
そして、再会の場もありました。
その方（Aさん）は、デイケア相談員をしたときにお会いした方でした。
なかなかデイケアに来ることができず…、正直、デイケア通所の意欲もあまり無かったと思います。
入院歴もあり、退院のときに職員からデイケアを勧められ、登録はしたものの行く気にはなかなかなれず…といった感じでしょうか。
何度か面談の場を設けても「行かなきゃなあとは思うんだけどね」と苦笑い。
就労についてもその意欲は無く…。
私は「ほぼ引きこもり状態のAさんをなんとかデイケアに通えるようにしたい！」と意気込んでいました。
そして、転機がやってきます。
「ちょっと話したいんだけど」とAさんから話し掛けられ、内容を伺ってみると「働きたい」と言うのです。
どうやらお友だちが就労継続支援A型で働き始め、自分の中に焦りと羨ましさがあることに気付いたのだとか。
「働きたい」という気持ちを持ってくれたことは、とても嬉しい出来事でした。
しかし、デイケアさえほとんど通えていない状況のAさんが、週5日、就労継続支援A型で働くことができるのか…私はかなり不安に感じました。
「まずはデイケアに週3日以上来れるようにしてから」
「最初は併用利用しましょう」
支援者の私はスモールステップを提示しましたが、Aさんにとっては、私の提案はうざったいものだっただろうなと感じます。
私の不安をよそに、Aさんは順調に就労継続支援A型に通い始めました。
時々、デイケアに来ては楽しそうに仕事の話をしてくれていました。
そして、私は事情があり、デイケアを退職。
退職後も「Aさんは仕事続けているのかな」と、ふと思うことがありました。
出会った頃は「働く気はない」と言っていたAさんが、仕事をはじめ、続けていたら…それはすごいことだなと思っていました。
今年の7月。
私は自分が立ち上げた相談支援事業所の挨拶回りで、Aさんが勤めている（はず）の就労継続支援A型事業所にお邪魔することになりました。
責任者の方とお話をしているときに、「こんにちは」と現れたのが
Aさんでした。
じっと見つめていると、私に気付いたAさんが一言。
「どこかでお会いしましたっけ？」
ああ、忘れられている…！
と思いつつ、名前を告げると驚いてくれました(笑)
3か月経った今、その就労継続支援A型さんとお付き合いがあるため、Aさんにも何度かお会いしていますが、笑顔で「こんにちは。元気にしてますか？」と声を掛けてくださいます。
支援者として、利用者さんに出会うこともご縁。
利用者さんと別れることも縁。
そして、再会することもまたご縁なのだなと思います。
