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インタビューに向き合うことで知った人の本質、そして超えた「人と接することの壁」

ライフワーク
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ライター業を行う上で、インタビューという仕事は避けて通れないものだと思っていました。

もともと私は対面で話をすること自体はそれほどうまい方ではなく、仕事をする上で「インタビューをしなければならない局面」は、ライターとして活動する上でも大きなネックだと感じていました。

しかし覚悟をぎこちないながら決めインタビュー経験を重ねていく中で、ときには嫌な思いをしながらも、それまでに持ち得なかった「人物を見つめ、知る目」を自分に得たようにも思えます。

相手を知るということは、たとえば「人と顔を合わせることが苦手」という問題に対して、避けられない局面を打開する一つのヒントが得られる気もして、非常に大事なことであると考えます。

今回は私がインタビューの経験で得たさまざまな感情や視点を振り返り、どのように人を観察するのか、そのヒントを考えてみたいと思います。

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インタビューをする覚悟


「インタビューをする人の心理とは、どんなものなのか?」「どんな気持ちでインタビューに臨めばいいのか?」

最初にインタビューの仕事をすることが決まったときに、ちょっとだけ心配になったことがあります。

たとえばテレビのドキュメンタリ―番組で芸能人に質問を投げかけるインタビュアーは、どちらかというとフレンドリーなイメージで相手と親しい雰囲気で話しかけるようなイメージ。

「親しい雰囲気ができないと質問ができないのか?」という疑問もありますが、とりあえず、まずは親しい雰囲気が出せないとうまく話が引き出せないのか、と考えてしまうわけです。

世の中には「インタビューが好き」「知らなかった話を聞き出すことに興味がある」という人がたくさんいるようですが、話自体に興味はあれど、私は実はそれほどインタビューが好きというわけでもありません。

かつて勤めた会社の職場で人に衝突することも多く、人と接することが苦手な私でしたので、なおさらそう思えたのでしょう。

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インタビューをすることで得られたこと


そんな、内心ちょっとイヤな気持ちで始めたインタビューでしたが、自分としては回を重ねていくうちに、思いもよらないところに目が向き始めたような気がします。

先日執筆させていただいたインタビュー講座の記事では、「質問を展開させ求める解を相手から引き出すことに集中せよ」と書きました。しかし近日、毎度のインタビューで自分の意識が最も向いているのは、実は「相手の振る舞いから見える人間性」のような部分でした。

実際に人と対面してインタビューを行う際は、私はそれほど着飾ったりせずラフな恰好でインタビューを行わせていただくこともよくありました。

そんな恰好でインタビューを「行わせていただく」のは、本当は失礼なことかもしれません。しかしだからこその答え方を、相手よりしてもらえましたのが、非常に興味深いところでありました。


その答え方や、そのときの振る舞いで、その人の本質が見えてきそうになるわけです。

人によりけり、時によりけりという要因もあるかもしれませんが、露骨に嫌そうな顔をして目も合わせてくれない人もいれば、全くこちらの姿に動じず、私の目を見て一生懸命しゃべってもらえる人もいます。

人それぞれの、私の見方を観察していると自分がどうというよりは相手の本質が客観的な視点で見えてくるような気がするのです。

礼儀や会話の雰囲気には気を使いながらも「仲良し」ではない相手との一線引かれた関係から見える相手の本質は、それまでの見え方とは違った光景を感じ、人と接する気持ちが変わっていくのを感じました。

単に私の姿を見て皆一様に嫌な顔をするとか、単一的な反応が返ってくるだけであれば、やっぱり「私は対面が苦手だ」と臥せってしまい人との対面を避けるだけの人間になってしまったことでしょう。

私の気持ちの変化は「インタビューをしなければならない」という局面に対しての覚悟を決めてからのことでありましたが、この壁を乗り越えた経験の中に、何らか人と接することに対する障壁を崩すヒントがあったように思います。

知らなければよかったことを知らされることも


ただ、いくつかのインタビューを経験し新たな気持ちに変わったとしても、やはり自分の気持ちとして「インタビューが苦手」という気持ちは、実はそれほど変わっていません。

よく「インタビュアーっていいね。芸能人にたくさん会えるんでしょ?」などという話もありますが、たとえば映画やドラマに出演している俳優さんは、実際に目の前にすると、出演された作品でのイメージと比べて、そのギャップに驚き、違和感を覚えることがたくさんあります。

ただ経験としてその機会を重ねていくことで、この行為が「仕事だから」と割り切って対応できているというわけですが、このことを考えると「相手を見る」「知る」という行為は、ある意味覚悟を決めた上で相手との間に一線を引き、さまざまな視点で見つめるということが大事であるということではないかと思います。

みなさんも自分のコンプレックスを抑え、覚悟を決めて相手を見つめる、そんな経験をどこかで挑戦してみてはいかがでしょうか。自分の知らなかった世界は、そこに必ず見えてくるはずです。

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この記事を書いた人
黒野 でみを

40歳で会社員からライターに転身、50歳で東京より実家の広島に戻ってきました。
幼い頃からさまざまなコンプレックスや生きづらさを抱えながら、自身の道を見つけるために「ライター」という生き方を選んで生きてきました。
誰かの生き方に小さな灯がともせるようなコンテンツが提供できれば幸いです。

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