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元職員が教える、ハローワークの賢い使い方 1 ~生きづらさを持つなら利用してみよう~

ハローワークの玄関 働く-Work
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ハローワーク(正式名称:公共職業安定所)は、「国民に安定した雇用機会を確保すること」を目的として国(厚生労働省)が設置する行政機関です。そのため求職者も事業所も無料で利用できます

「就職困難者に対する最後のセーフティネット」の役割を持ち、民間の就職支援会社等が(就職率が上がらないとの理由で)扱いたがらない層の人々にも地道に支援を続けるところに、ハローワークの大きな存在意義があるのではないでしょうか。

つまり、「じっくり支援してほしい」と考える障害のある方々だけでなく、障害は無くてもニートや長期間の非正規状態など就職活動をどのように行えばいいか迷っている人にこそ、ぜひハローワークを利用してほしいと思います。

ここでは、元ハローワーク職員として得た経験から、ハローワークの賢い活用方法を伝授いたします。

就職困難なかただけでなく、一般的な就職活動を行う人にも活用できるノウハウも盛りだくさんですよ。

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ハローワークは怖くない

向かい合って話す男性2人

とはいえ、ハローワークを全く利用したことが無い人にとって、未知の世界へ行くのはそこがどこであれ、ハードルが高いものです。

ハローワークって、なんだか怖そう。。。と思っている人もおられるでしょうか?

いいえ、安心してください。

全然怖くないですよ!

市役所や区役所のような、怖くもなく、めっちゃ明るいわけでもないイメージというと分かりやすいでしょうか(いや、よけいに分かりにくい?)。

おおよそ1980年代以前は、旧態依然とした体質が残っていて、職業相談に行ったら「職員に説教されて泣いた」などの逸話がありましたが(実際、私の母も若かりし頃、泣かされたんだとか)今はそんなことはほとんどありません。

ハローワークは「サービス行政」とも言われ、単なる事務手続きだけの機関ではなく、職業相談というサービスを提供しています(その他にも色々ありますが)。

よって、窓口相談などのサービスを行うのに必要な接遇研修や、相手の話をじっくり聴く「傾聴」のスキル、そしてキャリアコンサルティング研修など様々なものを職員は受けてきていますので、理不尽に相手を泣かせるような対応をする、化石のような職員はもうほとんど存在しないのではないでしょうか。

今はサービス精神にあふれた、気さくな職員が多いですので、緊張せずに行ってほしいと思います(もちろん個人の資質の問題もありますので、残念ながら、残念な対応の職員もゼロではないです)。

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民間の就職支援会社とのちがい

机の上でパソコンとメモを広げて向き合う2人

民間の就職支援会社を利用するとき、(その支援会社が扱う職種や年齢やジャンルにもよりますが)誰でも利用登録はたぶん拒まれることはないでしょう。

が、「合う求人が入ったらご連絡しますね」と言われてその後、なしのつぶて。というのは求職者のかたから、よく聞きました。

ある方は会社側の人員削減計画の早期退職勧奨に応じて退職なさった50代の働き盛りでしたが、キャリアが少ないわけではなく、私から見れば立派なスキルの方でした。しかしその年齢層の求人が少なかったのか、就職支援会社からは6か月間全く紹介の連絡が無かったそうです。

それも、退職した会社からあっせんを受けて登録した支援会社だったにもかかわらずです。
そんな話を聞くと、「いったん引き受けた人をなぜ全力で支援しないのか」と就職支援会社に対して怒りを感じたものです。

民間の就職支援会社は営利目的の企業です。民間企業ですから、求職者を就職させるごとに、求人を出す企業から成果報酬をもらうなどの形で利益を出しています(注:報酬システムは様々な形態があります)。

では「誰でもいいから就職させればいい」かというとそうではなくて、短期離職されてしまうと就職支援会社に入る報酬が低くなる場合があるんですね。そうしますと短期離職されるんではないかと勝手に判断されて(これまでの転職回数が多いとか、経験がないとか、生きづらさを抱えているから長続きしないだろうなど)、あれこれ理由を付けて求人を紹介してもらえないということが起こるわけです。
逆に、専門的スキルがあり企業から重宝される分野の求職者は、就職支援会社は喜んで支援します。お金になるからです。

ということで、就職支援会社を使っていたが進展が無い人、そもそも就職支援会社なんて行くのはハードル高そうだし行きづらい、「就職」なんていきなり大きい目標じゃなくていいから少しずつ就労に向けて準備したい。そのような人はハローワークへ行ってみよう。

「正社員就職」だけではなく、「パート」「短期雇用」の求人もハローワークにはあります。

何よりもハローワークは営利目的ではありません。国が設置した公共機関です。お金の無い人でも無料で使えるよう、「ILO88号条約」(職業安定組織の構成に関する条約)で定められた機関なのです。

生きづらさを抱える人こそ、ハローワークが使いやすい!

相談を行う女性

ハローワークには様々な問題を抱える人がたくさん来ています。つまり職員は困難なケースの経験が多く、慣れています。
雇用の最後のセーフティーネットですから、民間就職支援会社が扱いたがらないケースもお手のものです。

「お手のもの」という言い方は適当ではありませんね。就職に結びつけるには人によっては多大な時間と労力がかかるため、ハローワーク職員であっても大変な作業です。

しかし、ハローワークの利用には期限はありません。普通は「もう来ないでください」など言われることはありません(机を蹴って壊した、職員に暴力や恐喝をした、裏口に灯油を撒いた、他の利用者につきまとったなどの警察沙汰になり、出入り禁止になった事例はありましたが)。1年でも2年でも10年でもずっと来ている求職者もいます。

求職者が足を運ぶ限り、ハローワークは支援を続けます

なぜかって?

「正社員で就職して、ずっと一か所で働き続ける」ことが正解ではないからです。

家庭の事情で、体調の問題で、そういう働き方しかできず短期離職せざるを得ないなど、やむを得ず長期的に就職活動している人は多いです。もちろん同じ会社でずっと安定して働ければ経済的に安定するでしょうけれど、それを唯一の目標とするのではなく、その人にとってのベストな働き方を一緒に考えて探していくお手伝いをする。

つまり、これは営利目的ではないハローワークにしかできないことだと考えています。

きめ細かな支援を受けながら、ゆっくりペースで就職活動したい人は、いちど利用してみてはいかがでしょうか。

今後、数回にわたって、ハローワークの様々な活用方法をご紹介していきますので、お楽しみに。

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