思い返せば、プログラミング用フォントの Ricty Diminished をターミナルやコードエディターのフォントとして長い間使ってきました。
この Ricty Diminished というフォントは非常に人気があり、多くの愛用者がおり、エンジニアの知識共有サイト Qiita のコード部分のフォントにも使われてきました。
その Ricty / Ricty Diminished が 2023年の1月をもってサポート終了になっていることを、つい最近知り驚いています。
Ricty Diminished とは
Ricty の姉妹関係にあるプログラミング用フォントです。
ラテン文字は Inconsolata 、それ以外の日本語などの部分は Circle M+ 1m を使い、合成した視認性の高いフォントです。
半角 : 全角の全角横幅の比が 1:2 となり、全角スペースが可視化されています。
など、プログラミングに特化したフォントの先駆者でした。
以下が、Ricty / Ricty Diminished の配布ページになります。
フォントのサービス終了とは
アプリや OS のサービス終了はよく聞くけれど、フォントのサービス終了ってどうなの?と思っている方もいらっしゃるでしょう。
アプリや OS は不具合や脆弱性が発見されて、その修正のためにアップデートがされますが、実はフォントも大きな不具合が発見されて、修正されることがあります。
サービス終了とは、そのアップデートがなくなるということです。
Ricty Diminished は、長い間使われてきたフォントだから問題ないのでは、と思えますが、大きな不具合が見つかっています。
「バッククォートが被る問題」と言われる不具合があります。この不具合は結局サービス終了した今でも公式には修正されていません。
バッククォートが被る問題とは
バッククォート「`」が一つ前の文字に被ってしまいます。
例えば、「’Hello World’」と表示しようとします。
しかし、実際はバッククォートと、前の文字が合体したような表示になります。
これでは、バッククォートが全く分かりません。SQL や markdown を書く時には大変困ります。
このような大きな不具合が、フォントにも発見されることがあります。
しかも、このような不具合が公式に修正されなかったら、と思うと少し怖いものがあります。
たかがフォントと言わずに、サポート終了は一つの機会と捉えてはいかがでしょうか。
バッククォートが被る問題の対処方法
ちなみに、Ricty Diminished でバッククォートが被る問題は、非公式ではありますが Font Forge を使った修正方法が公開されています。
ありがたいことに、修正されたフォントを Motoki Watanabe (@XxGodmoonxX) さんが公開されています。
以下の GitHub で公開されています。
あくまで応急処置としてお使いください。
次のプログラミング用フォントを探して
Ricty Diminished が発表された頃は、プログラミング用のフォントの選択肢はあまりありませんでしたが、しかし今では多くのプログラミング用のフォントが出てきています。
この機会に Ricty Diminished をお使いの方は、乗り換えを考えてみてはいかがでしょう。
私も、今回のことで、Ricty Diminished から PlemolJP に乗り換えました。
プログラミング用フォントの一例
・UDEV Gothic
・Myrica
・PlemolJP
・Source Han Code JP
・HackGen
これらのフォントを試して、自分に合ったものを見つけてください。新しいフォントを使うことで、プログラミングの効率や快適さが向上するかもしれません。