はじめに
日頃、110番通報する機会はあまり無いと思いますが(通報する機会が無いほうがありがたいですが)、もしもの時に110番に緊急通報して助けを求めるという手段があるからこそ、こうやって私たちは安心して日常を送れるわけですよね。
なので、聴覚に障害があって電話ができない、言語障害やコミュニケーション障害があってスムーズに言葉が出てこず相手に状況を伝えられない…という方にとって、110番の電話をかけられない事は、とても不安な状況なのだろうなと思います。
そういった方たちに便利な「110番アプリ」を今回はご紹介します。
【注意】このアプリは聴覚や言語に障害のある方など、音声による110番通報が困難な方のための専用アプリです。音声通話が可能な方は、110番に電話をしてください。必要でない人がむやみに使うと、本来、必要としている人達の利用に支障が出ますので絶対に避けてください。また、虚偽又は業務に支障を来す通報は、犯罪となる可能性があります。
110番アプリシステムとは
警察庁が2019年9月から全国で運用を始めました。主な特徴は、以下です。
- スマホやガラケー(フィーチャーフォン)を使用して、文字や画像で警察へ通報できる。
- 国内のどこからでも利用可能。通報場所を管轄する各都道府県の警察本部へつながる。
- GPSを利用することで、警察へ位置情報を知らせることが可能。
【参考リンク】警察庁HP「110番アプリシステム」
利用するための準備
アプリをダウンロード
自分のスマホに対応する専用アプリをダウンロードします。
Androidの場合はGooglePlayで、iPhoneの場合はAppStoreから「110番アプリ」を検索してダウンロードをしてください。アプリのダウンロードは無料ですが、ダウンロード時や警察への通報時には、各自の契約に基づいた電話会社への通信料金が発生します。
自分の情報を登録する
アプリをダウンロードしたら、「事前登録」ボタンから「新規登録」ボタンを開き、氏名、携帯電話番号やパスワードなどを入力。備考欄の入力は任意ですが、自分の障害(聴覚障害で聞こえない、言語障害で発語は難しいがはい・いいえだけは言えるなど)を入力しておくと警察が対応しやすくなるとのことです。
事前登録を済ませておかないと警察に通報できませんので必ず登録しておいて下さい。
【参考リンク】兵庫県警HP「110番アプリ」
スマホとガラケー(フィーチャーフォン)両方の手順が載っていて分かりやすいです。
いざというときの為に練習!
登録を終えたら、緑色のボタン「練習モード」を使って実際の通報手順を試してみましょう(赤色の「接続」ボタンは、実際の通報に使うボタンなので注意!)
アプリを使うときの注意点
スマホの通信状況
このアプリは当然のことながらインターネット回線を利用しますので、ネットワークの通信状況が悪い場所では通報できないことがあります。そのような時は、別の手段での通報が必要です。
SMS及びデータ通信が利用できる回線の契約が必要
事前登録のときにSMSでの認証や、通報時にはデータ通信を使います。
周囲の状況を確認し、安全を確保すること
アプリで写真撮影する時はシャッター音が鳴ったり、自分のスマホ設定によってはフラッシュが発光することがあるため、危険が及ぶときには写真撮影は避けましょう。
また、警察からのSMSを受信する際にもスマホ設定により着信音が鳴る場合がありますので、状況に応じて設定を変更しましょう。
GPSによる位置情報を提供する必要がある
GPS機能をONにし、GPSによる位置情報の取得に同意する必要があります。スマホのGPSを常にONにするというより、このアプリをアクティブにするときにはGPSをONにするという設定にしておいてもよいでしょう。
警察から指示があるまではアプリを終了しない
警察が通報者の状況確認のために連絡をすぐに取れるよう、警察から指示があるまでは110番アプリシステムを終了しないようにしましょう。
まとめ
このように、障害を持っていても便利なツールが様々に用意されていますので、自分が無理なく使えるものを普段から用意しておきたいですね。
最後に繰り返しになりますが、以下にはくれぐれも注意してください。
【注意】このアプリは聴覚や言語に障害のある方など、音声による110番通報が困難な方のための専用アプリです。音声通話が可能な方は、110番に電話をしてください。必要でない人がむやみに使うと、本来、必要としている人達の利用に支障が出ますので絶対に避けてください。また、虚偽又は業務に支障を来す通報は、犯罪となる可能性があります。